第20回健康講座、”皆さんで歩きましょう”の概要
第20回健康講座は、特別企画として”皆さんで歩きましょう”という会を企画しました。予定としては長宮神社往復の3km程度のコースを考えていたのですが、当日は34℃の暑さとなってしまい、近くの中央公園の散歩コースとなりました。距離は短かったのですが、その分、ゆっくりお話も聞くことができて楽しい会となりました。このページはそのときの概要です。
まず、当院駐車場の木、アメリカハナミヅキ。
これによく似た木が日本にも自生しています。ヤマボウシです。どちらも白い、花びらが上向きの花を咲かせます。
ところで、上福岡市と埼玉県の花、木、鳥はなんでしょう。
正解は、
上福岡市 埼玉県
コスモス さくらそう
きんもくせい けやき
シジュウカラ シラコバト

です。ご存知でしたか。

さて公園に着きました。
まず目に付いた木がクヌギです。この木の特徴は、どんぐりがまん丸なこと、この木からはとても良い炭がとれることです。その炭は”桜炭”といわれています。
この木は雑木林を形成する木でもあります。
この木の幹からは蜜が出るため昆虫のえさ場ともなっています。そして、この木の根元を見ると、確かに蜜が出ていてカナブンがその蜜を吸っていました。蜜の出ているところに鼻を近づけてみると確かに甘いにおい、といってもやや発酵した蜜の匂いがしました。
次に、カシの木を発見。身近に見られるカシの木には3種類あって、関東でカシというとシラカシ、関西でカシというとアラカシ、葉が厚く光沢のあるのがアカガシ、この3種類です。
ここにあるのがシラカシ。
カシの木は常緑樹で、自然の林の照葉樹林を形成します。
シラカシのどんぐりは長細い特徴があります。
ところで、生で食べられるどんぐりがあるのですが、ご存知でしょうか。それはシイの仲間のツブラジイという木のどんぐりです。
(ここでは皆さんなるほどと説明を聞いていましたが、、実はこの渡部さん、意外なものも食べてしまう人だということが後でわかります。でも、このどんぐりは本当に食べられるみたいですね)
ここでアゲハチョウを発見。
アゲハチョウの仲間は上福岡には6種類生息しています。(このあたりのことになると、渡部さんのお得意の分野)

アゲハチョウの幼虫は、サンショウの葉やみかんの葉を食べます。
ところで、モンシロチョウは羽が白く、オスもメスも同じく白いのですが、モンシロチョウどうしではオスとメスの羽の色が違って見えるのだそうです。モンシロチョウのオスにとってはメスの羽の色は黒く見えるのだそうです。不思議なことがあるもんですね。

渡部さん愛用の虫取り網。緑色の方が蝶の警戒心が少ないそうです
この木は桜。以前、アメリカシロヒトリという害虫が桜の木に付いて被害が出たことがあったことを覚えているでしょうか。あれは4‐5年は続きましたが、今はパッタリなくなりました。それは、害虫が入ってくるとしばらくは天敵がいないので、害虫にとっては大変繁殖しやすい環境なのですが、しばらくすると自然界には天敵が現れます。今では、蜂や鳥などがアメリカシロヒトリの天敵となって繁殖を抑えているのです。
先ほどはシラカシでしたが、こちらにはアラカシがありました。

ケヤキもありました。これは県の木です。埼大通りのケヤキ並木は日本一長いそうです。

これはエノキ。秋ケ瀬に多く見られる木です。葉に特徴があります。葉にはギザギザがありますが、そのギザギザが葉の根元側半分には見られないという特徴があります。このエノキの葉しか食べない蝶がいます。嵐山のほうでは天然記念物に指定されている蝶です。オオムラサキといいます。オオムラサキは成虫になるまでにエノキの葉を100枚食べるといわれています。

コナラの木がありました。
コナラはしいたけ栽培のほだ木にもなります
左にコナラ、右にクヌギが並んだところがありました。クヌギの葉は細長いのが見分けるポイントです。
コナラの葉にアリグモがいました。見た目はアリのようですが、実はクモです。アリなどの昆虫とクモの違いは、昆虫が頭部、胸部、腹部の3つの体節からなっているのに対して、クモは頭胸部、腹部の2つの体節からなり、足の数も、昆虫が6本なのに対してクモは8本という違いがあります。
ここでちょっと休憩。ペットボトルのお茶を飲んで一息つきました。
実は渡部さん、かつて日曜の午後の人気番組だった”テレビジョッキー”の奇人変人コーナーに出たという経歴の持ち主だったのです。 で、どんなことをしたかというと、ゴキブリとクモを食べたというのです。それを食べて、賞品のギターをもらったそうです。ちなみにこの日のゲストはアグネスチャンと夏木マリだったそうで、ギターにはサインもしてもらったそうです。世の中、どこにどんな人がいるかわかりませんねえ。
さて、後半は団地の中を歩いてみました。
まず、ムラサキツユクサを発見。この草は、細胞の一つ一つが大きく、顕微鏡での細胞観察には最適のものだそうです。
サンショウの木がありました。確かにアゲハチョウの幼虫がいました。幼虫の角が真っ赤なのは黒アゲハの幼虫だそうです。また、サンショの木にもオスとメスがあって、メスの木には実がなります。
エゴの実がありました。これは昔石鹸としても使われたこともあります。
これはタラの木。天ぷらにするとおいしいタラの芽はこの木が大きくなるととれます。
楽しく歩いているうちに図書館前に出てきました。今日は猛暑の中、木陰をうまく歩いて具合の悪くなる方も出ず無事終わりました。渡部さんのおかげで身近な公園にも自然がたくさんある事を発見し、楽しい散歩となりました。
以上は、平成15年6月21日(土)に行った、歩く会の中で、ゲストの渡部孝雄さんのお話を要約させていただいたものです。
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