第22回健康講座 よい”眠り”のために

眠りのしくみ

”眠り”というのは不思議なもので、夜になると自然とやってきます。”眠り”には次の2つのしくみがあるといわれています。

  1. “疲れたから眠る”しくみ
  2. “夜だから眠る”しくみ

また、睡眠には次の2種類の睡眠があり、睡眠中はその2種類の睡眠が交互におきているといわれています。

  1. レム睡眠
  2. ノンレム睡眠

“夢を見る”とは

さて、睡眠時間というのはどのくらいが適正なのでしょうか。統計的には次のようなことがわかっています。

睡眠時間について(参考文献1より)

したがって、睡眠充足の目安は6〜7時間前後と考えられます。よく”8時間睡眠”といいますが、あまりその数字にこだわらない方がよいでしょう。

年齢とともに平均睡眠時間は少なくなることがわかっており、また、睡眠パターンにも変化が見られます。

高齢者の睡眠パターン

睡眠不足”とはどういうものと考えたらよいでしょう。

日中しっかり覚醒しているかどうか、逆に言うと、どのくらい眠気を感じているかを測る尺度があります。下の表の左にあげた8つのシチュエーションで眠気を感じることがどのくらいあるかを点数化し、合計してみて下さい。

エプワースの眠気尺度

絶対無い 時々ある よくある いつも
座ったり、読書しているとき
0点
1点
2点
3点
テレビを見ているとき
0点
1点
2点
3点
公共の場所(劇場や会合など)でじっとして座っているとき
0点
1点
2点
3点
1時間以上も休憩なく、乗客として車に乗っているとき
0点
1点
2点
3点
拘束されない状況で、午後横になって休憩しているとき
0点
1点
2点
3点
座って誰かと話しているとき
0点
1点
2点
3点
昼食(お酒は飲んでいない)の後、静かに座っているとき
0点
1点
2点
3点
運転中、渋滞で止まっているとき
0点
1点
2点
3点

合計点:

このように調べて、日中眠気があるようでしたら、睡眠について考えてみましょう。

実際、睡眠についての悩みを抱えている人は次のように多いことがわかっています。

睡眠について悩んでいる人が多い(参考文献2より)

そこで、2002年に厚生労働省から睡眠障害予防の指針が示されました。それは以下の12項目からなっています。

睡眠障害予防の指針

  1. 睡眠時間は人それぞれ異なるということを知ること
  2. 眠る前にリラックスするよう心がける
  3. 床に就くのは眠くなってから
  4. 毎日同じ時刻に就床
  5. 朝起きたら室内に日光を入れ、夜の照明は控えめに
  6. 規則正しい食事、運動習慣
  7. 昼寝は、正午〜午後2時頃の20分間
  8. 眠りが浅いときには睡眠時間を減らしてみる
  9. 激しいいびき、、呼吸停止、脚のぴくつきは注意
  10. 十分眠ったつもりでも、日中の眠気が強いときには専門医に相談
  11. 睡眠薬のかわりの寝酒は不眠のもと
  12. 睡眠薬は医師の指示で正しく使えば安全

これらについて解説しましょう。

1 睡眠時間は人それぞれ異なるということを知ること

2 眠る前にリラックスするよう心がける

3 床に就くのは眠くなってから

4 毎日同じ時刻に就床

5 朝起きたら室内に日光を入れ、夜の照明は控えめに

6 規則正しい食事、運動習慣

7 昼寝は、正午〜午後2時頃の20分間

8 眠りが浅いときには睡眠時間を減らしてみる

9 激しいいびき、呼吸停止、脚のぴくつきは注意

10 十分眠ったつもりでも、日中の眠気が強いときには専門医に相談

11 睡眠薬のかわりの寝酒は不眠のもと

12 睡眠薬は医師の指示で正しく使えば安全

枕について

安眠法(参考文献3より)

まとめ

  1. 心地よい眠りは朝から始まります
  2. 規則正しい生活を
  3. 嗜好品には注意

<参考文献>

  1. 睡眠障害の対応と治療ガイドライン、睡眠障害の診断・治療ガイドライン研究会編、じほう
  2. Q&A知っておきたい睡眠障害質問箱100、大熊輝雄監修、メディカルレビュー社
  3. 図解雑学、睡眠のしくみ、鳥井鎮夫監修、ナツメ社
  4. 厚生労働省、健康づくりのための睡眠指針検討会報告書、平成15年3月

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