ベーチェット病(順天堂医院膠原病内科外来で皆さんにお配りしているパンフレットから、医局の許可を得て転載させていただきました)
ベーチェット病とは
・皮膚と粘膜(口腔内、陰部)と目(ぶどう膜炎)に原因不明の炎症がみられる病気です。
・血管の炎症や腸の炎症、脳神経の症状もみられることがあります。
・日本や中近東に多い病気です。
原因は
・現在のところ明らかな原因はわかっておりません。
・体質・素因、白血球の異常、細菌感染などの関与が考えられています。
症状は
・全身症状として、熱がでる、関節が痛むなどの症状がみられます。
・口腔粘膜の症状として、痛みを伴う潰瘍が1つないしは複数で出現し、瘢痕を残さずに治りますが、再発を繰り返します。
・陰部の症状として、陰部に痛みを伴った潰瘍がみられます。
・目の症状として、目の前がかすむ、虫が飛んでいるようにみえる、濁りがでる、視力が落ちる、目がみえにくいなどの症状がみられます。
・皮膚症状として、しこりのある紅斑、にきび様の発疹、かみそりまけしやすい、下肢がむくみ、痛みなどがみられます。
・内臓の障害として、血管に炎症がみられる、腸に潰瘍ができ腹痛や下痢を起こす、精神症状やマヒなどを起こす、などをみることがあります。
治療は
・口腔粘膜の症状だけの場合にはステロイドの局所療法、コルヒチンなどで治療します。
・眼症状が認められる場合には、ステロイドの局注、シクロスポリンA、ブレディニンなどで治療します。
・全身症状が強い場合には、入院加療を必要とし、ステロイド薬、コルヒチン、免疫抑制薬などで治療します。
・血管の障害が認められる場合には、上記に加えて抗凝固療法で治療します。
・腸管の障害が認められる場合には、上記に加えてサラゾピリンで治療します。
日常生活での注意点は
・清潔を心がけましょう。
・消化の良い、栄養価の高いバランスのとれた食事とし、刺激の強い食物は避けましょう。
・保温を心がけ寒さや湿気に注意しましょう。
・過労やストレスを避けましょう。