7.膠原病の診断

Q:溶血性貧血といわれ、後で膠原病といわれたが詳しい病名がわからないので不安

A:これは膠原病、特に全身性エリテマトーデス(SLE)の患者さんにときにあることです。SLEの症状に溶血性貧血や血小板減少などがあり、初期にはこれらだけが現れる場合があります。その場合、その時点では診断は溶血性貧血であったり、特発性血小板減少性紫斑病であったりするわけです。その後でSLEに特徴的な他の症状が現れ、診断がSLEに変わるということがあるのです。このように診断が変わることは患者さんにとって不安のもととなると思いますが正確な診断をし、適切な治療をしていくためにはやむを得ないことなのです。膠原病といわれたとのことですが正確な病名について主治医の先生によく聞いてください。(p. 152〜153)

Q:病院によって診断、方針が違う

A:診断が違えば方針が違うのは当然のことですが病院によって診断が違う場合としてはいくつかの原因が考えられます。膠原病は経過によって症状が異なるため診断の時期によっては診断結果が異なるということがあり得ます。たとえばこの一つ前の質問のような場合です。これがもっとも大きな要因でしょう。また、医学の進歩により、例えば10年前には診断のつかなかったものが容易に診断がつくようになるという場合もあるでしょう。また、残念ながら膠原病の専門医と他の分野の専門の内科医とでは診断が異なるということもないとはいえないかもしれません。まずは専門医に早めに診てもらうというのが得策でしょう。専門医は日本リウマチ財団(03-3946-3551)に問い合わせていただけば各地域の専門医をご紹介することもしています。