皮膚筋炎・多発性筋炎(順天堂医院膠原病内科外来で皆さんにお配りしているパンフレットから、医局の許可を得て転載させていただきました)
多発性筋炎・皮膚筋炎とは
・全身の筋肉に炎症が生じ、筋力が低下し、痛みをきたす病気です。
・皮膚症状が認められる場合に皮膚筋炎とよびます。
・40歳以上の患者さんでは悪性腫瘍(癌)を合併することがあります。
原因は
・現在のところ明らかな原因はわかっておりません。
・体質・素因や免疫異常、感染症、悪性腫瘍などの関与が考えられています。
症状は
・全身の症状として、発熱、脱力感、体重減少、関節痛、レイノー現象(寒さやストレスなどで手指が赤色から紫色、白色へ色の変化がみられる現象)をみることがあります。
・筋症状では、腕や肩、頚、胸部、腰、大腿などの筋力が低下するため、起床時起き上がるのが困難、物を持ち上げられない、立ちしゃがみができにくい、階段の昇降ができにくい、歩くのが困難などの症状がみられます。
・皮膚症状では顔面の紅斑、上まぶたのむくみを伴う紫紅色の紅斑、関節の背部に同様の紅斑がみられます。
・肺に炎症(間質性肺炎)が生じるとせきが出る、呼吸が苦しくなる、動悸がするなどの症状がみられます。
・検査で悪性腫瘍(癌)が、みつかることがあります。
治療は
・筋炎に対してステロイド薬、免疫抑制薬が用いられます。
・皮膚症状に対して局所的治療を行います。
・間質性肺炎に対してステロイド薬が用いられます。
・悪性腫瘍に対して外科的に摘除します。
・筋の萎縮や拘縮に対して、リハビリテーションを行います。
日常生活での注意点は
・炎症が治るまで入院、治療が必要となります。
・安静と運動をバランスよく行いましょう。
・栄養価の高いバランスのとれた食事を心がけましょう。
・寒さや湿気に注意しましょう。
・皮膚を清潔にし怪我をしないようにしましょう。
・感染症にかからないように、環境に留意しましょう。
・十分な睡眠をとるよう心がけ、ストレス、過労を避けましょう。