強皮症(順天堂医院膠原病内科外来で皆さんにお配りしているパンフレットから、医局の許可を得て転載させていただきました)

強皮症とは

・皮膚が硬くなる病気です。

・レイノー現象(寒さやストレスなどで手指が赤色から紫色、白色へ色の変化がみられる現象)で病気が始まることが多い病気です。

・食道・胃腸、肺臓、腎臓などの内臓の障害もみられます。

原因は

・現在のところ明らかな原因はわかっておりません。

・職業(炭鉱夫、ある種の化学物質を扱っている人など)や美容形成術(異物注入)に関係して発病することがあります。

症状は

・レイノー現象がみられます。

・皮膚が硬くなると手指がこわばる、つっぱる感じ、しわが少なくなる、関節を曲げたり伸ばしたりすることが困難、口を大きく開けられない、指先が短くなる、潰瘍ができやすい、皮膚の色が黒ずんだり白くぬけてくるなどの症状がみられます。

・食道に病変がありますと、げっぷや胸やけがするなどの症状がみられます。

・肺に病変がありますとせきがでる、息切れがする、動悸がするなどの症状がみられます。

・腎臓に病変がありますと高血圧がみられます。

治療は

・皮膚硬化に対してD-ペニシラミン、コルヒチンが用いられます。

・皮膚硬化の浮腫期や発熱、筋炎、肺に炎症がある場合にはステロイド薬が用いられます。

・レイノー現象や末梢の循環障害に対して、血管拡張薬、末梢循環改善薬が用いられます。

・高血圧が認められれば降圧剤で治療しますが、腎不全を伴っている場合には人工透析が考慮されます。

日常生活での注意点は

・寒さやストレスを避け、保温を心がけましょう。

・皮膚を傷つけない、けがをしないように注意しましょう。

・食事はゆっくり時間をかけ、消化のよいもの栄養価のバランスのとれた食物をとりましょう。

・高血圧があれば食事の塩分の制限が必要です。

・歯をよくみがき虫歯を予防しましょう。

・感染症を合併しないように清潔にし、でかけるときは人込みを避けましょう。

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