関節リウマチ(順天堂医院膠原病内科外来で皆さんにお配りしているパンフレットから、医局の許可を得て転載させていただきました)
関節リウマチとは
・炎症を伴う全身性の病気で、慢性に経過します。
・主に複数の関節が傷害され、炎症によってこわばりや腫れ、痛みを伴います。
・進行しますと、関節の破壊と変形をきたし、機能障害が起こります。
・関節以外にも皮膚や内臓の障害がみられます。
原因は
・現在のところ明らかな原因は分かっておりません。
・体質・素因や自己免疫の機序、ウイルス感染などの感染症の関与が考えられています。
・寒さ、湿気、過労、ストレス、妊娠・出産、手術、外傷などが発病のきっかけになることがあります。
症状は
・全身的に脱力感、微熱、全身の痛み、こわばりがみられます。
・関節症状では朝のこわばり、複数の関節が腫れる、痛む、動きが悪くなる、変形するなどがみられます。
・関節以外の症状では皮膚にしこりや潰瘍ができる、手・足がしびれ る、せきがでたり息苦しくなる、目に炎症が起こるなどがみられます。
・血管に炎症が生じ、内臓の障害がみられる場合に、悪性関節リウマチと呼ばれることがあります。
治療は
・関節炎の進行を抑え、全身状態をよくするために、
抗リウマチ薬;金剤(シオゾール、リドーラ)、D−ペニシラミン(メタルカプターゼ)、ブシラミン(リマチル)、ロベンザリット(カルフェニール)、サラゾスルファピリジン(サラゾピリン)など
免疫抑制剤;メトトレキサート(メソトレキセート)、ミゾリビン(ブレディニン)などで治療します。
・関節の炎症や痛みを抑えるために非ステロイド抗炎症薬、ステロイド薬(経口または関節内注入)が用いられます。
・関節の機能を保持するためにリハビリテーションを行います。ときに外科的手術が必要になることもあります。
・関節以外の症状を改善するためにステロイド薬、抗リウマチ薬、免疫抑制薬、血漿交換療法などで治療します。
日常生活での注意点は
・安静と運動をバランスよく行いましょう。
・いつも関節の保護を考え、無理な使い方をしないようにしましょう。
・湿気や冷えを避けましょう。
・過労やストレスを避けましょう。
・バランスのとれた栄養価の高い食事をしましょう。
・いつも清潔を心がけましょう。