全身性エリテマトーデス(順天堂医院膠原病内科外来で皆さんにお配りしているパンフレットから、医局の許可を得て転載させていただきました)

全身性エリテマトーデスとは

・慢性に経過し炎症を伴う全身性の病気です。

・経過中、よい状態(寛解)と悪い状態(悪化)を繰り返します。

・いくつかの臓器の障害がみられます。

・進行すると、臓器の機能障害をきたし、生命に危険を及ぼすことが ありますが、経過や臓器の障害には個人差があります。

原因は

・現在のところ明らかな原因はわかっておりません。

・体質・素因や自己免疫機序、環境因子が関係すると考えられています。

・日光照射、薬物、ウィルス感染、妊娠・出産・外傷、手術、寒冷、 ストレスなどが発病のきっかけになることがあります。

症状は

・全身の症状として、原因の分からない発熱、だるい、気力がない、体重が減る、関節が痛む、リンパ節が腫れる、レイノー現象(寒さやストレスなどで手指が赤色から紫色、白色へ色の変化がみられる現象)などがみられます。

・皮膚症状として、顔に蝶形の紅斑がでる、指、手のひら、耳、前胸 部、足の裏などに紅斑がでる、日光に過敏である、頭髪が抜ける、口の中に潰瘍ができやすい、などがみられます。

・内臓の障害として、腎臓が侵されると尿に蛋白や血尿がでてむくむ、心臓や肺に水がたまる、情緒が不安定になる、てんかん様のけいれんを起こす。急におなかが痛くなる、月経が不順になるなどの症状がみられます。

・血液の異常として、貧血、白血球や血小板の数が少ない、抗核抗体やDNA抗体、LE 細胞などが陽性となる、補体価が低いなどの所見を認めます。

治療は

・軽い場合には、皮膚の局所治療(クリームなど)、非ステロイド抗炎症薬、血管拡張薬などで治療します。

・内臓の障害がある場合には、原則として入院治療を必要とします。この場合ステロイド薬が用いられます。ステロイドで効果のみられないときは、免疫抑制薬、血漿交換療法などで治療します。

・腎不全では、人工透析を行うことがあります。

日常生活での注意点は

・薬は自分勝手にやめないようにしましょう。

・日焼けしないように注意しましょう。

・過労、ストレスを避け十分な睡眠時間をとりましょう。

・バランスのとれた食事とし、太らないように注意しましょう。

・清潔をこころがけ、けがをしないように注意しましょう。

・歯の治療、外科的手術を必要とする場合には、主治医の先生に連絡

 しましょう。

・妊娠・出産を希望する場合には主治医の先生に相談しましょう。

・外出時には保温にこころがけ、人込みを避けましょう。

ホームへ