シェーグレン症候群(順天堂医院膠原病内科外来で皆さんにお配りしているパンフレットから、医局の許可を得て転載させていただきました)
シェーグレン症候群とは
・涙や唾液を分泌する組織が慢性の炎症をおこし、これらの分泌が低下する病気です。
・慢性関節リウマチや強皮症など、他の膠原病や自己免疫疾患を合併 することの多い病気です。
原因は
・現在のところ明らかな原因はわかっておりません。
・体質・素因、免疫異常、ウイルス感染などが発症に関係しているといわれている。
症状は
・目の症状として目がごろごろする、ごみが入った感じ、まぶしくて目が開けられない、目やにがでるなどがみられます。
・口腔内の症状として、口が渇く、水をよく飲む、尿の回数が多い、パンやビスケットなど水分の少ない食物は水を含みながらでないと食べられない、虫歯が多い、口角炎を起こしやすいなどがみられます。
・ほかの粘液分泌低下の症状として鼻がかわく、耳が聞こえにくい、中耳炎を起こしやすい、胃酸が少なく胃が荒れやすい、皮膚がかさかさになる、膣の分泌も少ないなどがみられます。
・全身症状として発熱、関節炎、リンパ節や耳下腺がはれる、レイノー現象(寒さやストレスなどで手指が赤色から紫色、白色へ色の変化がみられる現象)紫斑、肺に炎症が生じるなどがみられます。
治療は
・目と口腔の乾燥症状に対しては、それぞれ局所的治療を行います。
・全身症状が強い場合にはステロイド薬で治療します。
・他の膠原病が合併している場合には、その病気の治療も併せて行います。
日常生活での注意点は
・住居は、快適な温度と湿度を保ち、とくに空気の乾燥には注意しましょう。
・食事は、固いものを避け、栄養価の高いバランスのとれた消化しやすいものをとるようにしましょう。
・歯をよく磨き、虫歯を防止しましょう。
・感染を予防するために、外出時にはできるだけ人込みを避けます。
・ストレス、過労を避けましょう。