自転車に乗ろう

肥満予防や減量のためには速足のウォーキングがいいとされています。毎日2030分間の速歩が推奨されているのですが、なかなかそのような時間は取れないのが現実ででしょう。一方、最近は自転車ブームで、自転車通勤(ジテツウ)をする人も増えているようです。地域によっては自転車道路の整備が進んでいるところも多く、当院の近くの254バイパス(旧、富士見川越有料道路)にはきれいな自転車用道路もできています。

さて、今回紹介する論文は、体重のコントロールという点で、自転車も速歩と同じくらい効果があるということを示すものです。

2010628日号のArchives of Internal Medicineに掲載された論文です(Arch Intern Med. 2010; 170 (12): 1050- 1056)。

アメリカで行われた疫学調査で、1989年から2005年まで16年間にわたり、25歳〜42歳の116, 608人の女性看護師を対象とした大規模な研究です。

速歩を実践していた人は16年間で平均1.8kgの体重減少、一日30分以上自転車に乗っていた人は平均1.5kgの体重減少がみられています。一方、ゆっくりとした歩行しかしていなかった人は、平均で0.06kg体重が増加していました。また、調査開始時は自転車に乗る習慣のなかった人も一日5分以上乗る時間を増やしていくと、その時間が多くなるほど体重も減少するという傾向が見られました。

一日30分以上自転車に乗る、というのもなかなか大変な運動量ですが、通勤や買い物で乗る時間を組み入れていけば、そのくらいは確保できるかもしれません。ちょっと遠回りしたり、寄り道をしたりして自転車に乗る時間を増やすといいかもしれません。

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