子供の睡眠とメディアの関係

テレビやゲームなどが子供の睡眠に悪影響を及ぼすことは以前から指摘されています。特に夜間それらを利用したり、子供の寝室で利用するとよくないといわれています。今回紹介する論文では、さらに踏み込んで、メディア(ここではTV番組、ゲームをさします)の内容についても検討しています。Pediatrics誌、2011年7月号(128; 29- 35: 2011)に発表されたものです。

アメリカで行われた研究で、3歳〜5歳の小児、612人の睡眠とメディアの利用について調査したものです。睡眠の状態については質問票で調査し、メディア利用については日記をつけてもらっています。さらに、その時間、コンテンツのタイトル、テレビ、ビデオゲーム、コンピューターの使用についても検討しています。メディアの内容については暴力的内容、恐怖心を持たせるようなもの、びっくりさせるような内容などかどうかについても調べています。

その結果、一日平均72.9分のメディア利用があり、午後7時以降では利用は14.1分でした。対象者の18%に少なくとも一つの睡眠の問題が認められました。その中でも特に、寝室にテレビがある場合、メディア利用時間も長くなり、睡眠の問題も多くなる傾向がありました。
睡眠時間では、1時間テレビを見る時間が増えると睡眠障害が増える傾向がありました。また、日中の暴力的内容のものを観ることでも睡眠障害が増える傾向がありました。さらに、大人が一緒に観ていたかとか、暴力的内容がアニメか実写かといったことはあまり関係がなかったということです。一方、日中に非暴力的内容のTV視聴であれば睡眠には影響しないという結果も出ました。特に、子供の寝室にテレビがあることの影響は大きく、夜間のテレビ視聴、もしくは日中の暴力的内容の視聴のいずれか一方よりも影響は大きい傾向があったということです。
この論文では、テレビ視聴時間を親が報告する方法をとっているため、視聴時間は短めになっている可能性がある、などの問題点も著者ら自身が指摘はしていますが、子供に睡眠に影響を与える因子として、暴力的内容の視聴、、夜間のテレビ視聴、子供の寝室での視聴が挙げられるということはいえそうです。

日本でも、「早寝、早起き、朝ごはん」といわれています。早く寝るためには、夕食の前からある程度計画的に行動することが大切でしょう。

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