食事療法について

高血圧、高脂血症、糖尿病が生活習慣病といわれるわけは、食習慣をはじめとした生活習慣が、その病気の発病、進展に大きく関わっているからです。逆に言うと、食習慣をはじめとした生活習慣の改善によって病気の改善も期待できるということになります。早い時期に病気に気づき、生活習慣を改善することが大切です。まず、取り組みたいのが食事です。

各疾患別に食事療法のポイントを述べましょう。

高血圧の患者さん 塩分を減らしましょう 肥満傾向の方はカロリーを適正に
高脂血症の患者さん カロリーを適正に コレステロールの少ない食品を
糖尿病の患者さん カロリーを適正に

外食はカロリーと塩分が多くなりがちです。外食のカロリーと塩分についてはこちらへ。

塩分を減らす

高血圧の患者さんでは塩分を減らすことがまず第1です。塩、しょうゆ、みそなどです。また、加工食品には多くの塩が使われていますので注意が必要です。

こんな食事では塩分はどうなるでしょう。塩鮭、蒲鉾2切れ、たくわん3切れ、みそ汁、ご飯。これだと塩分はだいたい8gになってしまいます。この調子で3食たべていたら塩分の量は相当な量になってしまうことがわかるでしょう。一日の塩分が6〜8gになるようにするのが理想なのです。

こんな工夫をしてみて下さい。

@しょうゆは減塩しょうゆを使うようにする。(薄口しょうゆというのは塩分は減らしてありませんので注意して下さい。)

A焼き魚などは、しょうゆをかけて食べるのではなく、すだちなどをかけて食べるにとどめる、あるいは取り皿にしょうゆをとり、そこに少しだけつけて食べるようにする。

B漬け物はできるだけ減らす。

C口当たりが甘くても塩分の多い食品に注意する。たとえばはんぺん、蒲鉾など。

D唐辛子、カレー粉、山椒などの香辛料には塩分は含まれませんのでこれらの香辛料を活用する。

E加工食品は避け、新鮮な食材にする。たとえばあじの開きだと一枚で塩分2.4gですが、あじの塩焼きなら1.0gですみます。

Fラーメン、うどんのつゆは残す。つゆだけで一人前の塩分5〜8gあります。

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総カロリーを減らす

肥満傾向の高血圧の患者さん、高脂血症の患者さん、糖尿病の患者さんは、塩分だけでなく、総カロリーも減らし、減量に努めましょう。

一日の摂取カロリーは、標準体重x 25 Calが目安です。

(例)身長160cmの方では、標準体重は1.6x1.6x22=56.3、56.3x25=1408となり、だいたい1400Calが一日の総カロリーとして適切です。

総カロリーは減らしても、栄養素のバランスはしっかりとりましょう。詳しくは、糖尿病の食品栄養交換表に従って、献立を考えるのがよいわけですが、ここではポイントだけ紹介しましょう。

@糖質(ごはん、パン、麺類、芋類、果物など)、タンパク質(肉、魚、大豆製品、牛乳など)、脂肪(油、バター、マヨネーズなど)、ビタミン(野菜、キノコ、こんにゃくなど)をバランスよくとりましょう。このなかで、ついつい多くとってしまいがちなのが糖質です。ご飯は、小さめのお茶碗に軽く一膳で適量です。

A間食を避けましょう。3回の食事以外にケーキや、饅頭などを食べるとカロリーオーバーになります。ただし、仕事の関係などでどうしても食事が遅くなるときなどはアメやキャンディーで空腹を紛らわすようにしましょう。

B一度にまとめ食いは避けましょう。いくら一日の摂取カロリーを抑えても、3回のバランスがよくないのもいけません。

Cジュース、缶コーヒーなどの飲み過ぎに気をつけましょう。コーラ200mlで80Calはあります。冷たい飲み物としては、ウーロン茶や麦茶がおすすめです。

Dアルコール飲料もカロリーはあります。飲み過ぎに注意しましょう。ビール1本250Cal、日本酒1合190calもあります。

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コレステロールを減らす

高脂血症の患者さんでは、総カロリーを減らすとともに、コレステロールの多い食品を避けることが大切です。一日の尾コレステロール摂取量を300mgにおさえたいものです。コレステロールの多い食品は、牛肉(100g中コレステロール70mg)、うなぎ(100g中コレステロール240mg)、鶏卵(100g中コレステロール470mg)、フライドチキン(100g中コレステロール95mg)鶏肉レバー(100g中コレステロール370mg)、いくら(100g中コレステロール510mg)などです。

食物繊維を多くとることも大切です。食物繊維は胆汁酸と結合して排泄され、コレステロールを減らしてくれます。一日20〜30gの食物繊維をとることが大切です。食物繊維の多い食品は、ひじき(小鉢1杯で4.3g)、玄米ご飯(茶碗1杯で3.7g )、納豆(1パックで3.4g)、ブロッコリー(70gで3.4g)、きんぴらごぼう(小鉢1杯で3.4g)、おからのいり煮(小鉢1杯で4.9g)、おくらのおかかあえ(小鉢1杯で2.2g)などです。

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外食のカロリーと塩分について

外食ではカロリー、塩分のとりすぎになりがちです。この表を参考に、外食の時のカロリーと塩分のとりすぎに注意しましょう。

カロリー(Kcal) 塩分 (g) カロリー(Kcal) 塩分 (g)
ご飯(1膳180g) 260 0 かけそば 320 4.4
みそ汁 48 1.2 きつねうどん 360 4.7
さんま塩焼き 180 2.7 ラーメン 530 6.4
刺身盛り合わせ 182 1.0 餃子一皿 280 0.9
エビフライ 260 1.3 レバニラ炒め 230 2.0
豚カツ 520 1.1 ミックスサンドイッチ 390 1.8
鰻重 740 4.0 カレーライス 770 3.8
カツ丼 950 4.5 ハンバーグ 690 5.3
天丼 750 3.0 スパゲティミートソース 620 2.8
江戸前にぎり盛り合わせ 500 2.5 しょうが焼き 400 2.0

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