子供は”よく学び、よく遊べ”がよい

昔から「よく学び、よく遊べ」といわれるように、子供は外で遊ぶことがよいとされています。運動習慣を身につけるという意味でもよいことだと思います。今回紹介するのは、小児に運動を推奨することを裏付ける論文です。

The Journal of Pediatrics の2005年6月号(146, 732- 737, 2005)に発表されました。

小児の運動が身体的、精神的にどのような影響を及ぼすか、といった研究は数多くなされており、この論文の著者等は、1980年以降に発表された850の研究と、さらに専門家が認めた論文をまとめています。いずれの研究論文も専門家が十分に評価し、検討を加えています。

その結果、多くの研究は、週3〜5日間、毎回30〜45分間の中等度から高度の運動の効果を評価したものでした。多くの研究が、そのような運動によって、身体的、精神的によい効果があったとしています。

身体面では次のような効果が認められました

また、精神面への効果については次のような効果が認められています

一方、運動によってけがが増えることはなかった(生徒一人の運動1時間あたりけが0.0016件)と述べています。

結論として、論文の著者らは、発達の上で適切で、楽しめる、多様な身体運動を含んだ、中等度から激しい強度の身体運動を、毎日60分以上行うことを推奨しています。

運動強度として、中等度から激しい身体運動と述べていますが、具体的にはウォーキング、サイクリング、活発な野外スポーツなどがそれに相当すると述べています。

60分間の運動を勧めていますが、いきなり始めるのはけがの元で、まずは1週間に10%増しから始めるのがよいとも述べています。

思春期の運動不足の問題は、日本に限らず欧米でも共通の問題のようです。思春期の運動不足は成人の運動不足につながり、様々な生活習慣病の要因となることも考えると、子供の時の運動習慣が重要といえると思います。

最近は、子供が外で遊ぶ姿をみなくなったとも言われます。学校での休み時間に校庭で遊ぶことも勘定に入れれば、一日60分間の運動時間をとることは難しいことではないだろうと思います。年齢と成長に応じた、楽しく長続きする運動を続けるようにしたいものです。

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