学校保健委員会 平成241121日(水)

今回の学校保健委員会では、保健委員の生徒さんが、おかし、おやつ、生活習慣病についてまとめてくれました。私からは、小児期の肥満と成人の肥満、その予防という観点でお話しをさせて頂きました。その概要を掲載します。


「思春期の肥満と生活習慣病」 

 

       糖尿病と大人の肥満と子供の肥満の関係

       思春期(中学、高校生)の肥満の7080%は大人の肥満に移行する

       大人の肥満は糖尿病の発病のリスクに

       小児期から肥満があるとそのリスクは24倍に

       しかし、小児期肥満でも45歳時に肥満になっていなければリスクの増加はない

       つまり、大人になるまでに肥満を克服することが大切

       小児期に肥満で大人になって肥満でない場合 VS小児期から大人になるまで肥満でない場合

       糖尿病、高血圧、悪玉コレステロールの増加、善玉コレステロールの低下、中性脂肪の増加、頸動脈の動脈硬化など、いずれも差はない

       つまり、小児期に肥満でも、大人になるまでに改善すれば大丈夫

       思春期肥満の予防が大切

       小学生のときに肥満予防を

 

脂肪細胞が増えてからの肥満克服はつらい

       脂肪細胞が増えないうちに肥満克服を

       =小学生のうちにはじめましょう

 

小学生の肥満予防の要点

       運動習慣をつけましょう

      いきなり走ったりするのではなく

      まずは、歩くことから、買い物などなんでも

      万歩計もいいきっかけになるかも

       成長期なので、栄養は必要、でも

      間食は控えて、朝、昼、夕の3食をしっかり食べましょう

      果糖液糖の入った清涼飲料水は避けましょう

      夜遅い時間に、脂っこいものや甘いお菓子を食べるのをやめましょう

 


保健委員の生徒さんたちは、おやつ、おかし、生活習慣病について大変よくまとめてくれました。その中でいくつか質問が出ましたので、その質疑応答を以下に掲載します。

Q:おかしを人の二倍食べて普通の運動をするとどうなるの

A:おかしの脂肪分や糖分は体にたまってしまうんだ。体にたまるときは脂肪となってしまうから、皮下脂肪や内臓脂肪となって、肥満につながってしまうんだよ。よけいに食べたらたくさん運動しよう。

 

Q:おかしはなぜあまいの?おかしに多く使われている材料は?

A:食べ物の栄養素は、糖分、蛋白質、脂肪、ビタミン、ミネラルに分かれるんだ。その中でも、糖分はすぐに吸収され、空腹感をやわらげてくれるとくちょうがあるよ。だから、ちょっとおなかがすいたときは、糖分の多いあまいおかしが食べたくなるんだよ。

 

Q:体によいおかしは?

A:普段の食事であまりとらない栄養素を含むものがいい。ビタミン、ミネラルが足りていなければ、果物、果汁を使ったおかしなどがいいね。蛋白質が足りていなければ、牛乳、チーズなどだよ。

 

Q:スナック菓子は食べてのいいの?

A:食べてもいいんだ。でも、食べすぎには気をつけよう。スナック菓子は食べ始めると止まらなくなるような味付けがされているんだよ。そのわなに引っかからないようにしようね。

 

Q:おやつは食べてよいのですか

A:おやつは食べてもいいです。でも、おやつを食べすぎて夕食が食べられなくなるようではいけないよ。「ちょっと」にしましょう。

 

Q:おやつは10時、3時に食べるといいのはなぜ?

A:おやつはもともとは肉体労働をする人たちが、休憩を兼ねて、食事の間に、すぐにエネルギーになるものを補給していたのがはじまり。朝食と昼食の間の10時、昼食と夕食の間の3時に休憩を兼ねておやつを食べたんだ。でも、体を動かしてないのにおやつを食べたらふとるだけだよ。(保健委員の生徒さんたちは、おやつの語源が、昔の日本では食事が朝夕の二食で、お昼の「八つ時」ごろに食べた軽食を「おやつ」と呼ぶようになったということも調べて説明してくれました。)

 

Q:おやつをいっぱい食べるとどうしていけないの

A:おやつには糖分が多いので、おやつを食べ過ぎると糖分のとりすぎになるよ。糖分の中でも果糖は、さわやかな甘さがあって、おやつにはよく使われているけれど、体の中では脂肪になってしまうんだ。おやつの糖分のとりすぎは、ごはんの食べ過ぎよりも肥満になりやすいんだ。

 

Q:何と何をとったおやつがよいのですか(200キロカロリーの中で)

A:ビタミン、蛋白質が多く、糖分、脂肪分が少ないおかしがいいね。牛乳、果物、大豆、小豆などを使ったおかしがいいかな。バナナ、牛乳、ミカンなどはそれぞれ80100キロカロリーだからそれを目安にしてね。80キロカロリーを消費するためには、ラジオ体操なら25分間、テニスなら10分間、ジョギングなら8分間続けないといけないよ。

 

Q:消化がよくて、病気になりにくいおやつとは

A:脂肪分が少ないものが消化にはいいよ。「病気になりにくい」といってもいろいろな意味があるけど、風邪の予防という点ではビタミンの多いものがいいね。骨や筋肉を強くするためには蛋白質、カルシウムがいいよ。だから、果物あるいは、大豆を使ったおかしがおすすめだね。

 

Q:カロリーにはなぜ「高い、低い」があるの?

A:「どのくらい食べるのがよいか、」を決めるのは、食べ物の量や重さではなくて、カロリーと栄養バランスなんだ。どんな食べ物でも、100グラムあたりのカロリーがちゃんと調べられているんだ。カロリーのとりすぎになると太るし、少なすぎるとやせてしまうよ。


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