幸福感と健康

気持ちが前向きな人ほど長生き、という研究結果が発表されました。確かにそうだなあと思う人がみなさんの周りにも一人や二人はいらっしゃることでしょう。実際にそれを調べた研究があります。

イギリスで行われた研究です。Proceedings of the National Academy of Sciences118日号( 2011  vol 108, 18244- 18248 )に発表されたものです。5679歳の男女、3853人を対象に行った調査です。ある一日における生活の満足度(ecological momentary assessment )を調査し、5年後の状態を調査したというものです。生活の満足度は、どのくらい幸せと感じているか、どのくらいわくわくすると感じているか、どのくらい満たされているか、などの項目について、「全く感じない」から「とても感じる」の5段階で評価してもらいました。その結果、満足度で対象者を3段階に分けると、満足度の最も低かった人たちのグループの5年後の死亡率は73%、次のグループは46%、最も満足度の高かったグループは36%になったそうです。満足度の最も低いグループの人たちに比べ、最も高かったグループの死亡率は35%低かったという計算になるそうです。この研究グループでは、さらに、幸福感、満足感とストレスホルモンとの関連を検討しているそうです。

先日、国王が来日したブータンという国は、国民の幸福度が非常に高いのだそうです。農業が主産業の、必ずしも裕福な国とはいえないにもかかわらず国民がそう感じるのにはいろいろな要因があるでしょう。体を動かし、毎年の実りに感謝する、そんな生活に幸福度の秘密があるのかもしれません。中高年になったら、幸福感も大切な「栄養素」かもしれません。

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