脳循環改善薬“カラン”の製造販売中止について

当院でも採用していた脳循環改善薬“カラン”の販売が中止となりました。再評価試験で有効性がないと判断されたためです。

この薬は脳梗塞の後の脳循環改善や、めまいに対して効果があるということで10年以上前から使われていた薬です。薬というのは一度市場に出てからも、本当によく効く薬なのか、副作用は大丈夫なのかということが検討されます。この調査を再評価試験といいます。今回の調査では、この薬と乳糖とを比べたのです。つまり、脳梗塞の後、めまいを感じている患者さんを2グループに分けて、一方の患者さんたちにはカランを飲んでもらい、もう一方の患者さんたちには乳糖を飲んでもらったのです。その結果、有効率が両者の間で差がなかったということなのです。つまり、有効性がないと判断されたわけです。

患者さんによっては薬を飲むようになってから非常に調子がよくなった、という方もおられるのですが、このような科学的な調査を行うと有効な薬ではない、と判断されることになります。

今後は、このような調査結果が出る前に、有効性や副作用についても国内、海外の調査、研究結果に目を光らせ、科学的根拠に基づいて、患者さんにとって本当によいものを提供できるようにして参りたいと思います。

現在処方している患者さんについては病状に合わせて他の薬に変更いたします。ご迷惑をおかけしますがご了承のほどよろしくお願いします。

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