針を刺さない血糖測定器

糖尿病の患者さんでは、血糖値の測定が治療上大切です。高血圧患者さんの血圧測定に相当します。特にインスリンを使っている場合には、頻回に血糖値を測ることも必要となります。

血糖測定は、血管から採血する方法と、指先に針を刺して一滴の血液で測る方法の2通りがあります。前者は病院でしかできませんが、後者は患者さん自身で行うことが可能です。最近は測定器がよくなり、大きさも手のひらサイズで、10秒から20秒くらいで結果も出ます。しかし、針を刺す痛みを伴うのが最大の欠点でした。

今回、日本のメーカーが、針を刺さない血糖測定器を開発したというニュースが報じられました。

日立製作所が開発したもので、指先の温度、光特性などを計測し、代謝反応によって生じる熱エネルギーから血糖値を算出するというものだそうです(その辺の理論はちょっと私にはわかりませんが・・・)。ホームページには写真も載っていて、かなり小型の機械であることがわかります。装置に指先を10秒置いて、2分経過後にまた10秒置いて、2分後に血糖値が表示されるそうです。私が問い合わせた情報では、採血した結果と一度は照らし合わせてセッティングする必要があり、その人専用の機械(正確にはその人専用のICチップを使って)として使用するのだそうです。誰でも指を乗せればその人の血糖値がでるというわけではないようですが、自宅で血糖自己測定をしている方にとってはうれしい知らせとなるでしょう。医療機関で利用できるようになるのは2005年以降になるそうです。

リンゴやモモなどの果物を傷つけることなく、その果物の糖度を測る機械というのがあると聞いていましたので、きっと血糖値もある程度は測れるのではないかと期待していましたが、まさに画期的な機械だと思います。そして、世界に先駆け、日本のエンジニアがそのような画期的な機械を開発し、技術力の高さを世界に示したこともまたうれしいことです。

日立製作所のニュースリリース

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