自宅血圧測定のすすめ

血圧の高い患者さん、高血圧の薬を飲んでいる患者さん、検診でちょっと高いといわれたことがある方へ。病院で測る血圧も大切ですが、自宅でも測ることをお勧めします。

その良い点は

(1)病院に行くと血圧が上がることがよくあります(白衣高血圧ともいます)。自宅で測っていただくと普段の血圧を知るために重要な情報が得られます。私たちも治療をする上で(薬の量や種類を決める上で)大変重要です。

(2)朝と夕方で血圧に差(日内変動)がある患者さんがおられます。そのような場合は薬の使い方も多少違ってきますので、やはり重要な情報となります。

(3)血圧に関心を持っていただき、治療効果や治療の継続に役立ちます。

もし、自宅に血圧計がある場合、一度病院に持っていって、病院の血圧計で測る血圧と、自宅で使っている自動血圧計とで比較してみることをお勧めします。こうすることにより、その自動血圧計が正確かどうかわかりますので、自宅での血圧が本当かどうか確認できます。というのは、病院で血圧が140くらいあっても、自宅ではいつも120台などという場合があります。機械が狂っているんじゃないかと疑いたくなります。そんなときは一度病院に持って行って比較しておくのがよいのです。自動血圧計で病院で測ると高いかもしれません。そうだとすると血圧計は狂っているんじゃなくて、病院ではちょっと血圧が上がり、普段の血圧は高くないということがわかります。

また、自動血圧計の使い方が正しいか、血圧の測り方は正しいかを確認することができます。

自動血圧計での血圧の測り方の注意を述べましょう。

(1)椅子に座るか、仰向けで寝た楽な姿勢で測りましょう。正座は好ましくありません。

(2)上着やセーターは脱いで測りましょう。肘から上が締め付けられることなどないようにしましょう。

(左はセーターを着たまま測っている悪い例、右はセーターを脱いでワイシャツのボタンをはずして測っているよい例)

(3)肘は伸ばして測りましょう。手の力は抜きましょう。手を握る必要はありません。

(左は肘が曲がった悪い例、右のように肘が伸びるようにタオルなどを入れて測るとよいでしょう)

(4)血圧計のマンシェットの位置を確認しましょう。これには高性能のマイクが内蔵されていて、動脈の拍動や血管の音をキャッチするようになっています。肘の動脈の拍動の上にそのマイクが当たる位置に巻きましょう。

(5)手首で測る血圧計も便利です。腕に巻く血圧計に比べると正確ではないともいわれていますが、それほど誤差が大きいということもないようですので、今お持ちでしたらそれをお使い下さい。測定方法は機種によって異なりますので(腕を胸にあてるようにするものや、机の上に置くようにするものなどがあります)、説明書を読んで確認して下さい。

一日2回、朝食を食べたあと一息ついて落ち着いた時と寝る前に測って下さい。できれば、朝起きてすぐの血圧もたまに測ってみて下さい。

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