後鼻漏について

咳や痰が長引く原因に後鼻漏というものがあります。アレルギー性鼻炎や風邪に伴い、鼻の奥で炎症が続き、奥にたまった鼻水がのどの方に回ってきて、咳や痰、のどの違和感の原因となるものです。のどに痰が常にからむような、非常に不快な症状です。鼻の奥には副鼻腔というスペースがあり、ここに炎症が残ってしまうと治りにくい傾向があります。副鼻腔の炎症が慢性化すると、いわゆる蓄膿症となってしまうこともあります。副鼻腔は鼻腔と小さな穴でつながった空間で、上顎洞、前頭洞、し骨洞、蝶形骨洞の4つがあります。鼻腔と副鼻腔の関係を模式図で示すと図のようになります。鼻腔に炎症が起こると、副鼻腔とつながる穴も狭くなってしまい、副鼻腔に起きた炎症による膿が副鼻腔の中にたまりやすくなってしまいます。これが時々鼻腔に出てきてのどに回るため、咳や違和感の原因となります。また、仰向けで寝たときに副鼻腔に溜まった膿が出て来ると、寝るときになると痰がからんで非常に不快、ということの原因にもなります。


これを治療するには、鼻腔の炎症を抑えて、副鼻腔と鼻腔の交通をよくして、副鼻腔に膿が溜まらないようにすること、膿(はなみず)が出やすいようにすること、炎症の原因を治療すること、などが挙げられます。

副鼻腔への交通をよくするためには鼻炎の治療が重要で、アレルギー性鼻炎が原因であれば、抗アレルギー薬や点鼻薬が必要です。細菌感染が原因であれば抗生物質の投与も必要です。膿が溜まらないようにするためには、湿度を保つことがよいので、マスクをして鼻腔の湿度を高めることや、ネブライザーや吸入によって湿気を与えることも重要です。また、鼻を強くかむのは、よくありません。副鼻腔の中に膿を押し込んでしまうことになるからです。そーっとかんで、鼻の穴に向かって出て行く空気の流れに、副鼻腔の中から出てきた膿が乗っていくようなかみ方がよいのです。

冬場は空気も乾燥しますし、風邪も流行ります。鼻炎、副鼻腔炎も起こりやすくなります。こじらせないように注意しましょう。

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