第1回健康講座 PART2
適正なごはんの量
糖尿病に限らず、高脂血症、高血圧、肥満などの患者さんでは食事療法が大切です。こう話すとまず、ごはんを減らそうと考える方が多いようです。しかし、ごはんは低脂肪で、食べた後の腹もちも良い食品です。また、ご飯など穀物に含まれる糖質はブドウ糖と比べて消化吸収が遅いため、ブドウ糖に比べ食後の血糖上昇が遅いといわれており、これは糖尿病にとって良いことです。さらに、ごはんなど穀類のでんぷんの一部は食物線維と同じ働きをするともいわれています。食材としても炊き込みご飯や、チャーハン、ピラフなど応用範囲も広く、欠かすことのできない食品です。ごはんはしっかり食べて栄養バランスをとるようにしたいものです。総カロリーを減らそうとして、ご飯を減らして肉類などのおかずを多くとってしまうとかえってカロリーオーバーになることもあります。
では、ごはんの適量はどのくらいなのでしょう。
それにはまず、適正なカロリーと、適正な栄養バランスを知ることが必要です。
適正カロリーと栄養バランス、食品交換表についてはこちらを参照してください。それらを踏まえて、一日の摂取カロリーで分けると、おおよそ次の表のようになります。
一日の総カロリー | 一日に主食でとるべきカロリー | 一回の食事に主食でとるべきカロリー | ご飯の場合、一回の食事にとるべき量 |
---|---|---|---|
1200kcal | 432kcal | 144kcal | 90g |
1400kcal | 624kcal | 208kcal | 130g |
1600kcal | 720kcal | 240kcal | 150g |
1800kcal | 912kcal | 304kcal | 190g |
ただし、食事の中で食品交換表の表1に分類される食品、いも、かぼちゃ、トウモロコシ、レンコンなどのような穀類を多めにとったときはその分ごはんを減らしてください。(交換表の表1のうち主食以外の穀類は0.6単位としています)
左から径11cmのお茶碗に盛りつけた90gのごはん、130gのごはん、径12.5cmのお茶碗に盛りつけた150gのごはん、190gのごはん
そして、その他の栄養素も食品交換表に従い、バランス良くとってください。
おかずをバランス良くとれば、ごはんはこのくらい食べてよいことになります。
しかし、逆にごはんをこのくらい食べて、肉類をたくさん食べてしまってはやはりカロリーオーバー、バランスとしても蛋白や脂肪分に偏ってしまいます。バランスの良いダイエットを心がけましょう。
玄米も健康によいことが指摘されています。最近は炊きやすくなった玄米も出ているようですので利用されてはいかがでしょう。玄米は、カロリーは白米とほぼ同じで、食物線維、ビタミンE、マグネシウムが多いという優れた点を持っています。
炊き込みご飯、チャーハンの場合、混ぜ込んだ野菜や椎茸類のおかげでビタミンA、食物線維などがとれる利点があります。一食あたりのカロリーと、食物線維の量を示します。ただし、塩分、脂質(特にチャーハン)過多にならないよう注意しましょう。
一食あたりのカロリー | 食物線維 | |
---|---|---|
たきこみご飯 | 170kcal | 2.7g |
栗ご飯 | 207kcal | 0.4g |
たけのこご飯 | 148kcal | 0.8g |
赤飯 | 272kcal | 2.5g |
チャーハン | 348kcal | 0.6g |