サッカーのトッププレイヤーの脳の働き

スポーツ選手というのはカンでプレーしているわけではなく、様々な場面で高度な分析と判断を繰り返しています。特に、サッカーのように瞬時に状況判断と戦略的判断が求められる球技のプレーヤーには相当高度な脳の働きが求められるはずです。全体のスペースへの注意力、分析能力、記憶力、冷静な判断力などの能力です。そういった判断のすばらしい選手というのは、私のような素人がみてもちょっと違うのがわかります。

今回紹介する論文は、サッカー選手の脳の働きを調べたものです。脳の働きといってもいろいろありますが、今回調べた方法は、特に管理能力に関する機能を調べる検査法だそうです。調査対象となったのは31名の男性プレーヤーと26名の女性プレーヤーです。それぞれ2つのグループから集めていて、一つはスウェーデンの一部リーグ14チーム中平均9位に位置するチームから、もう一つはスウェーデンの二部リーグの12チーム中平均6位に位置するチームから集めています。選手たちの管理能力検査は2007年秋に行い、20081月から20105月までのゴールとアシストの数をデータとして集めています。管理能力を検査するといっても、原語を使ったテストであり、サッカーに求められる管理能力とは異なる部分があるのは否めませんが、それでも、上位チームの選手の方が、下位チームの選手の管理能力検査よりよい結果だったそうです。さらに、2007年秋の時点でその検査の点数が高かった選手は、20105月までにあげたゴールとアシスト数が明らかに多かったというのです。

将来有望な選手をスカウトするというのは難しい仕事だそうですが、運動能力だけでなく、こういった検査も、そういう選手を見いだす方法の一つになるのではないか、と論文の著者らは述べています。

こういった能力というのは天性の部分が大きいと思いますが、本人の努力で獲得される部分も大きいと思います。このような検査では、本人がどのくらい努力するタイプか、ということは測れないと思います。また、レベルの高い環境におかれて今まで見せなかった能力を発揮する選手もいます。選手の将来性を予測するのは簡単にはいかないと思いますが、こんな検査方法も手がかりの一つにはなるのかもしれません。

 

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