新型インフルエンザの特徴

新型インフルエンザがついに国内でも発生しました。新型インフルエンザについて限られた情報ですが集められる情報を整理してみました。

 季節性インフルエンザと比較してその重症度は?

毎年、季節性インフルエンザがきっかけで亡くなる方は世界中で250,000〜500,000人に達するといわれています。しかし、今回発生したH1N1ブタインフルエンザウイルスに対する免疫を持っている人はいないので、感染は急速に広がると考えられます。イギリスの予想では、12か月以下の小児では70%が、成人では35〜50%が感染するだろうと見込まれています。今のところ感染が確認されている症例は50歳以下の人が多いのですが、特定の年齢層が特にかかりやすいのかどうかはまだ結論が出ていないそうです。今のところ、重症度はそれほど高くはないと考えられています。ただし、後述するように、基礎疾患のある方は肺炎などの合併率が高くなり、要注意です。

 マスクの有効性は?

マスクは最も簡便な予防法となります。特別なマスク(N95など)である必要はなく、通常のマスクでも効果があるだろうと考えれれています。しかし、マスクは使ってるとだんだん湿気を吸ってくるので一日に6回くらい取り替えるべきともいわれています。

 最も有効な感染予防は?

一日10回以上手を洗う。石鹸は医療用がいいのか普通のものでもよいのかはデータがなく何ともいえないそうです。また、顔や鼻などには触らないようにすることも有効かもしれないそうです。咳、くしゃみをするときは、ティッシュで鼻、口をしっかりカバーする。そして、そのティッシュはすぐに処分する。ウイルスは体外でも4時間くらいは生存しているといわれています。

 抗ウイルス薬は有効?

タミフル、リレンザは有効といわれています。ただし、新型インフルエンザと同じ季節性インフルエンザのH1N1型のものにタミフル耐性のものが多いといわれており、今後はウイルスが性質を変えて、耐性を獲得し、タミフルが効きにくくなるという懸念もあります。

 去年うったワクチンは有効?

今回の新型インフルエンザはH1N1の新型です。季節性のH1N1ウイルスに対するワクチンは昨シーズンのワクチンに含まれています。同じH1N1ですが異なるウイルスですので効果があるとはいえません。しかし、今までも同じ型の中では交差反応が見られることもあり、まったく無効とはいえないのかもしれませんが、今のところまだ季節性インフルエンザワクチンの有効性を示唆するデータはなく、今後の検討が必要です。

 新型インフルエンザワクチンンはいつできるの?

ワクチンの型が決まってから6か月かかります。

 症状の特徴

メキシコの例では、発熱が少ないことが指摘されています。新型インフルエンザの症例の3分の1では発熱がなかったそうです。入院例では入院後に発熱する例が多いものの、軽症例では半数が発熱を示さず、症状は咳と倦怠感などだったそうです。また、12%に下痢があったそうです。便中にもウイルスが排せつされているとしたら、特に衛生状態の悪い国での流行が懸念されているようです。無症候性キャリア(症状はないがウイルスを排出して感染力はある人)が多いのではないかという指摘もあります。

 重症になるケースとは

新型インフルエンザに感染しても多くの場合、基本的には軽症で済むものの、ぜんそく、糖尿病、心疾患、結核などの基礎疾患を有する場合は死亡率が高くなっており、注意が必要です。また、妊婦の方では肺炎を併発している例が多く、アメリカでも死亡例があり、妊婦の感染例ではタミフルの早期投与が勧められています。致死率についてはメキシコでは確実例のうちの2.5%といわれていますが、アメリカでは0.08%で、かなり開きがあり、医療体制の違いなどが指摘されていますが、その原因はまだよく分かっていません。

 以上は平成21年5月17日の時点までに得られた情報をまとめたものです。今後状況が変わる可能性はあります。

最新情報は

などが参考になると思います。

<参考資料>

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