学生さんのためのページ 医学部1

1997年、順天堂大学膠原病内科在籍中に医学部5年生の学生指導をしていたときに出した問題をこのHP用に改訂したものです。

問題:25歳の男性。起床時の背部痛、仙腸関節部の圧痛、胸郭の拡張障害を認める。もっとも考えられる疾患は次のうちどれか。
(a)慢性関節リウマチ
(b)強直性脊椎炎
(c)シェーグレン症候群
(d)Straight back syndrome
(e)再発性多発軟骨炎

答え:(b) 

問題:22歳の女性。発熱、関節痛を主訴に外来を受診した。次のうち最後に行うべきものはどれか。
(a)家族歴の聴取
(b)熱型の確認
(c)関節の診察
(d)職業の確認
(e)抗DNA抗体検査を依頼

答え:(e)


問題:次の徴候と疾患の組み合わせで誤っているのはどれか。
(a)ケブネル現象----------成人発症スティル病
(b)Heberden結節---------- 変形性関節症
(c)Jaccoud 様関節炎------全身性エリテマトーデス
(d)Bouchard結節---------慢性関節リウマチ
(e)Schober試験陽性-------強直性脊椎炎

答え:(d)

問題:次の検査と検査結果の表記の仕方の組み合わせで正しいのはどれか。
(a)ラジオイムノアッセイ法による抗DNA抗体------○○倍
(b)蛍光抗体間接法による抗核抗体---------------○○倍
(c)二重免疫拡散法による抗SS-A抗体------------○○IU/ l
(d)髄液中細胞数-----------------------------○○個/3視野
(e)末梢血白血球数---------------------------○○/l

答え:(b)

問題:皮膚筋炎と多発性筋炎について正しいのはどれか。
(a)皮膚筋炎の方が血清CPKの上昇は軽度である。
(b)両者とも筋肉の病理組織像は同じである。
(c)抗Jo-1抗体陽性例は皮膚筋炎に多い。
(d)サーモンピンク様の皮疹が皮膚筋炎の特徴である
(e)いずれも近位筋がおかされる。

答え:(e)

問題:71歳の女性。リウマチ性多発筋痛症の診断でステロイド療法が開始される。今後定期的に行うべき検査として正しくないものはどれか。
(a)骨密度測定
(b)赤沈
(c)眼科的検査(視力、眼底)
(d)抗核抗体
(e)CRP

答え:(d)

問題8:22歳の女性。SLEの診断でステロイド大量投与を受けている。経過中貧血を認めた場合、貧血の原因検索のために行うべき検査として正しくないものはどれか。
(a)血清ハプトグロビン
(b)便潜血
(c)血清鉄
(d)抗リン脂質抗体
(e)上部消化管内視鏡検査

答え:(d)

問題:厚生省が指定する特定疾患(難病指定)に含まれないものはどれか。
(a)全身性エリテマトーデス
(b)強皮症
(c)皮膚筋炎
(d)慢性関節リウマチ
(e)混合性結合織病

答え:(d)


問題11:関節液検査について正しいものはどれか
(a)炎症性の関節液は粘稠度が低い
(b)炎症性の関節液はムチンクロットテストでしっかりした凝塊を生じる
(c)尿酸ナトリウム結晶は菱形の結晶である
(d)ピロリン酸カルシウム結晶は偏光顕微鏡で負の屈折性を示す
(e)化膿性関節炎の関節液の粘稠度は高い

答え:(a)

問題12:慢性関節リウマチ患者の日常生活指導について正しくないのはどれか
(a)環軸椎亜脱臼のある患者には頚椎カラーを使用するよう指導する
(b)左膝関節の障害が強い場合、杖を左手に持って体重をかけないよう指導する
(c)外反母趾に対しては足底パッドが用いられる
(d)ホットパックは膝、肩関節に使用される
(e)膝、股関節などの障害があるときはプール歩行がすすめられる

答え:(b)

問題13:SLE患者の治療経過中の検査所見について正しい記載はどれか

(a)白血球数はSLEの活動性低下とともに減少する
(b)抗DNA抗体の抗体価はSLEの活動性の指標とはならない
(c)抗核抗体の抗体価はSLEの活動性に平行して変動する
(d)血清補体価はSLEの活動性低下とともに低下する
(e)感染の合併の診断にCRPは有用である

答え:(e)

問題14:関節リウマチの患者の診察と関連のもっとも薄いものはどれか

(a)眼瞼結膜の貧血の程度の確認
(b)関節可動域の計測
(c)毛髪の観察
(d)呼吸音の聴取
(e)末梢知覚の確認

答え:( c )

問題15:強直性脊椎炎の患者の問診、診察の上で重要性が最も低いのはどれか。

(a)歩行状態の観察
(b)家族歴の聴取
(c)耳介軟骨の観察
(d)仙腸関節部の圧痛
(e)吸気位と呼気位での胸郭周径の測定

答え:( c )


問題16:強皮症患者の問診、診察の上、重要性が最も低いのはどれか。

(a)豊胸術の既往の有無の確認
(b)開口の程度の確認
(c)指先の潰瘍の有無の確認
(d)胸部聴診
(e)側頭動脈の圧痛

答え:(e)

問題17:リウマチ性多発筋痛症の患者の問診、診察の上で重要性が最も低いのはどれか。

(a)日光過敏症の有無の確認
(b)疼痛部位の確認
(c)筋力の確認
(d)年齢
(e)側頭動脈の圧痛

答え:( a )

問題18:61歳、女性。10年来の関節リウマチの症例。注射金剤と非ステロイド抗炎症剤で治療されている。最近尿蛋白が検出されるようになった。考えられる可能性の高いものの組み合わせはどれか。

(1)二次性アミロイドーシス
(2)腎嚢胞
(3)腎盂炎
(4)間質性腎炎
(5)膜性腎症

a. 1, 2, 3  b. 1, 2, 5 c. 1, 4, 5 d. 2, 3, 4 e. 3, 4, 5

答え:(c)

問題19:強皮症患者の日常生活指導で正しくないのはどれか

(a)禁煙
(b)指のアイシング
(c)指先の清潔につとめる
(d)消化の良い食事
(e)冷房のかけすぎにならないように注意する

答え:( b )

問題20:正しい記載はどれか

(a)リウマトイド因子は変性IgMに対するIgGクラスの抗体である
(b)抗DNA抗体検査に用いられる抗原のDNAは二本鎖のDNAである
(c)ワイヤーループ病変とはSLE患者の皮膚基底膜に見られる所見である
(d)蛍光抗体間接法による抗核抗体の観察には標準血清が必要である
(e)二重免疫拡散法による抗体検査には放射性同位元素が使われる

答え:( b )

問題21:ステロイド療法について正しくない記載はどれか

(a)ステロイドの減量時には離脱症状に注意する
(b)ステロイドの投与量と易感染性との間に相関関係はない
(c)ステロイドの投与に伴い腸管からのカルシウムの吸収は低下する
(d)ステロイドの投与により骨芽細胞の機能が低下し骨密度が低下しやすい
(e)ステロイド糖尿病では空腹時血糖よりも食後血糖の上昇が顕著である

答え:( b )

問題22:正しい記載はどれか

(a)非ステロイド抗炎症剤は食前に服用する
(b)Dーペニシラミンは食後に服用する
(c)ステロイドは1日1回、寝る前に服用する
(d)注射金剤は静脈内に投与される
(e)メトトレキサートは週1回内服投与する

答え:( e )

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