学生さんのためのページ 臨床工学科その4

2004年、東京電子専門学校臨床工学科で”人の構造と機能”(血液、消化器)の講義を担当したときに授業で扱った小テストです。

<血液1>

正しい文章には○、間違った文章には×をつけよ

1 (  )血液を円心分離にかけたとき、血球成分は約60%をしめる
2 (  )体重50kgの人の循環血液量は約4Lである
3 (  )血液には酸素や栄養を運搬したり、生体防御に関わったり、酸塩基平衡に関わるなどの働きがある
4(  )血球成分のうち、白血球の数は赤血球の1000倍多い。
5(  )血液は骨髄で作られ、成長とともに造血を行う骨髄の範囲は広がる。
6(  )赤血球、白血球、血小板はそれぞれ異なる幹細胞から作られる
7(  )赤血球には核がないが、白血球と血小板には核がある。
8(  )血漿の約半分は水である。
9(  )血漿蛋白は電気泳動により5つの分画に分けられる。
1O(  )血漿中のアルブミンが増加すると浮腫の原団となる
11(  )抗体は血漿蛋白のα1グロブリン分画に属する
12(  )血漿浸透圧より低い食塩水(低張液)に赤血球を入れると、赤血球内から食塩分子が流出し、赤血球は金平糖状に変形する
13(  )赤血球はヘモグロビンという蛋日を多く含み、鉄を多く含んでいる
14(  )赤血球の形成は、肝臓で作られるエリスロポイエチンが骨髄に働き促進される
15(  )赤血球は血液中を約365日間循環し、肝臓で処理される
16(  )赤血球は処理の過程でビリルビンが作られ、胃液中に排泄される
17(  )貧血になると心拍数が増え、呼吸困難になることもある
18(  )貧血の原因には鉄、ビタミンC、葉酸の欠乏などがあげられる
19(  )慢性腎不全患者ではエリスロポイエチンの合成が障害されるため、貧血になることがある
20(  )貧血を分類する上で、赤血球数、ヘマトクリット値、ヘモグロビン値の3つが重要である。
21(  )ヘモグロビン値は細いガラス管に血液を入れ、遠心し、有形成分の割合を表している
22(  )B型の血液の血清中には抗A凝集素が含まれている
23(  )輸血の前には患者の血液、供血者の血液で主試験、副試験の両者を行う必要がある
24(  )輸血前の交叉適合試験で、患者の赤血球と供血者の血清との反応をみるのが副試験である
25(  )白血球の大半をしめるのはリンパ球である
26(  )好酸球は細菌を貪食し、感染の防御に働いている
27(  )好塩基球はアレルギー反応、寄生虫感染などの時に増加する
28(  )好塩基球は即時型アレルギー反応に関与している
29(  )感染症などの時には、好中球のうち桿状核好中球が増える。この現象を核の右方移動という
30(  )単球は様々な器官内に遊走し、マクロファージとなって、微生物を貪食し、抗原提示細胞としての役割をなす
31(  )リンパ球は、T細胞とB細胞とに分類される。
32(  )リンパ球は免疫に深くかかわっている
33(  )感染症のときは好中球が増加し、血沈が亢進し、CRPが高値となる

解答:

1 × 2 3 4 ×
5 × 6 × 7 × 8 ×
9 10 × 11 × 12 ×
13 14 × 15 × 16 ×
17 18 × 19 20
21 × 22 23 24
25 × 26 × 27 × 28
29 × 30 31 32
33

<血液2>

正しい文章には○、間違った文章には×をつけよ

1. (  )血管が障害されると赤血球が集まり障害部位に血栓を形成する
2. (  )血栓にフィブリンのネットワークが形成される
3. (  )フィブリンは血液中のフィブリノーゲンが、プラスミンによって活性化されフィブリンに変わる
4. (  )血液凝固の過程ではカルシウムも重要な働きを担っている
5. (  )血液凝固には内因系と外因系の2つの系があるが、いずれも最終的にはプロトロンビンをトロンビンに活性化しフィブリンを形成する反応である
6. (  )血栓症は静脈には起こらない
7. (  )下肢の深部静脈の血栓は血流に乗って移動し脳塞栓症を起こす
8. (  )人工透析では、透析回路内の血液が凝固しないようウロキナーゼが使用される
9. (  )急性心筋梗塞の急性期の治療には、ウロキナーゼやtPAによる血栓溶解療法が行われる
10. (  )ワーファリンはビタミンDに拮抗し、血液凝固を阻害する
11. (  )全身のリンパは胸管から大動脈に流れ込む
12. (  )右上半身のリンパは右リンパ幹に集まり右静脈角に流れ込む
13. (  )リンパ節には1本の輸入リンパ管と複数の輸出リンパ管が出ている
14. (  )リンパ節内では病原体などの貪食、抗原提示などが行われ、生体防御の重要な働きが行われている
15. (  )脾臓は成人の造血器官の一つである 

解答:

1 × 2 3 × 4
5 6 × 7 × 8 ×
9 10 × 11 × 12
13 × 14 15 ×

<消化器>

1 口から肛門までの消化管について空欄を埋めよ
口→咽頭→(   )→胃→十二指腸→(   )→回腸→上行結腸→(    )→下行結腸→(   )→直腸→肛門

答え:食道、空腸、横行結腸、S状結腸

2 胃の機能について正しいものはどれか
(ア) 胃粘膜の主細胞から、タンパク質を分解する酵素であるペプシンが分泌される
(イ) 胃粘膜の壁細胞から塩酸が分泌される
(ウ) 胃粘膜は、胃粘液により胃酸から保護されている
(エ) 胃粘膜は、胃粘膜の副細胞から分泌されるアルカリにより胃酸が中和され、胃酸から保護される
(オ) 胃液は酸性が強く、pHは10〜11である
(カ) 食べたものは胃の中にとどまり消化されるが、約2〜7時間胃にとどまっている

答え:(イ)、(ウ)、(カ)

3 小腸について正しいものはどれか
(ア) 小腸は3つに部分に分けられ、口側から十二指腸、回腸、空腸に分けられる
(イ) 胃で消化された食べ物は小腸でさらに消化され、小さな分子にまで分解される
(ウ) 小さな分子に分解され粘膜から吸収される
(エ) 唾液、胃液、膵液、腸液などの消化液は小腸で再吸収される
(オ) 小腸の粘膜は、ヒダや絨毛の構造が発達しており、粘膜の面積が大きくなるような構造になっている

答え:(イ)、(ウ)、(エ)、(オ)

4 大腸について正しいのはどれか
(ア) 大腸には縦に走行する筋層があり、3条の帯を形成し、結腸ヒモとも呼ばれる
(イ) 虫垂により、回盲部での逆流を防ぐことができている
(ウ) いわゆる“もうちょう”は虫垂に細菌感染が起こることによる急性炎症である
(エ) 大腸は小腸より細い
(オ) 大腸では主として水分と電解質の吸収が行われる
(カ) 大腸には多くの常在ウイルスが生息している

答え:(あ)、(う)、(お)

5 直腸について正しいものはどれか
(ア) 直腸上部の直腸膨大部に便がたまると排便中枢が刺激される
(イ) 直腸粘膜直下の上直腸動脈が腫れて動脈瘤となったものが内痔核である
(ウ) 直腸は腹膜に覆われていない
(エ) 直腸では水分の吸収が活発に行われる
(オ) 食事をとらないと便は全く出なくなる

答え:(ア)、(ウ)

6 肝臓について正しいものはどれか
(ア) 肝臓に流入する血管は肝動脈であり、肝静脈と門脈に血液は流出する
(イ) 肝臓では胆汁が作られる
(ウ) 肝臓には血液中のブドウ糖がグリコーゲンの形で貯蔵されている
(エ) 肝臓は身体に必要な蛋白の多くを産生している
(オ) 肝臓は脂質を中性脂肪という形で蓄え、必要に応じて遊離脂肪酸として放出する

答え:(イ)、(ウ)、(エ)、(オ)

7 膵臓、膵液について正しいものはどれか
(ア) 膵臓から分泌された膵液はファーター乳頭(大十二指腸乳頭)から十二指腸に放出される
(イ) 膵臓では、内分泌腺として、インスリン、グルカゴンなどが分泌される
(ウ) 膵臓からは一日約1.5リットルの膵液が分泌される
(エ) 膵液は、胃液の酸と混じりあった食物粥を中和する働きがある
(オ) 膵液には蛋白分解酵素であるトリプシン、キモトリプシンの前駆体が分泌される
(カ) 膵液に含まれるαアミラーゼは脂肪を分解する

答え:(ア)、(イ)、(ウ)、(エ)、(オ)

8 胆嚢、胆汁について正しいものはどれか
(ア) 胆汁は胆嚢で作られ、蓄えられている
(イ) 胆汁は脂肪の消化に重要な働きをしている
(ウ) 胆汁は総胆管を通じ、ファーター乳頭(大十二指腸乳頭)から十二指腸に放出される
(エ) 胆汁は小腸でほとんど再吸収される
(オ) 胆汁の色素であるビリルビンは白血球の分解産物に由来する

答え:(イ)、(ウ)、(エ)

9 三大栄養素の吸収について正しいものはどれか
(ア) 蛋白質はアミノ酸の形まで分解され吸収される
(イ) 蛋白質はペプシン、トリプシン、キモトリプシンなどにより分解される
(ウ) 糖質は唾液、膵液から分泌されるαアミラーゼにより分解される
(エ) 糖質は単糖類まで分解されて吸収される
(オ) 中性脂肪は膵臓から分泌されるリパーゼにより分解される
(カ) 脂質は胆汁酸によりミセルを形成し、分解・吸収しやすい形となる

答え:すべて正しい


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