海外旅行での注意

夏は海外旅行に出かける方も多いことでしょう。海外では持病の管理はもちろん、現地での健康管理も大切です。

(1)水に気をつけましょう

海外では“なま水には気をつける”は常識です。水道の水が飲めるかどうかまず確認し、飲めない場合はペットボトルのミネラルウォーターなどを買って飲むようにしましょう。

(2)こんな食べ物に注意

なまものには注意が必要ですし、また、いわゆるゲテモノといわれるような食材には注意が必要です。海外では生卵を食べるのは避けた方がよいでしょう。日本では刺身やなま牡蛎は当然のように食べていても、海外では要注意です。私自身の経験ですが、東南アジアでエスニック料理を食べたあとラッシーといわれる飲み物(ヨーグルト飲料のようなもの)を飲んで2〜3日下痢で苦しんだことがあります。現地では高級といわれるレストランでしたが・・・

(3)下痢をしてしまったら

下痢をすると脱水になりやすいので、水分の補給が必要です。水よりも電解質を含んだものの方がよいので、市販のスポーツ飲料か、それにひとつまみほどの塩を加えて溶かしたものがよいでしょう。整腸剤や下痢止めは日本から持っていっておくといざというとき役に立ちます。また、これも私の経験ですが、現地特有の下痢というのもあって、その場合は日本から持っていった下痢止めは効果が無く、ガイドさんが分けて下さった下痢止めですぐよくなったということもありました。おそらく、アメーバのような病原体が原因だったのだと思います。こういう事もありますので、ガイドさんがいるツアーなどでは相談するのもよいでしょう。

(4)どんな薬を持っていくとよいか

総合感冒薬、解熱鎮痛薬、下痢止め、便秘薬などが使用頻度が高いようです。

(5)持病のある人の場合

高血圧、糖尿病などの慢性疾患のある方の場合、旅行中悪化する可能性もありますので注意が必要です。旅行中の注意などかかりつけの医師に相談して下さい。また、旅行先でのトラブルに備えて英文の紹介状があるとよいので書いてもらうとよいでしょう。また、心臓病や気管支喘息など発作を起こす可能性のある場合は、発作時の薬も用意しておきましょう。入国の際には薬はチェックされますので薬品名を英語の一般名で書いたものを持っているとよいでしょう。

(6)予防接種

黄熱ワクチン:中央アフリカ、中南米の黄熱病の流行地にいく場合は黄熱ワクチンが義務づけられています。黄熱ワクチンは受けられる施設が限られていますので日本検疫衛生協会(電話045-671-7041)に問い合わせてみて下さい。また、卵アレルギーのある人はこのワクチンは受けられませんのでその旨を検疫所に申し出て、禁忌証明書に医師に記入してもらいましょう。

破傷風トキソイド:1967年以前に生まれた人は破傷風トキソイドを含む三種混合ワクチンを受けていないので、途上国に行く場合は破傷風トキソイドの接種を受けましょう。

その他のワクチン:A型肝炎、B型肝炎、日本脳炎、ポリオなどの流行地にいく場合は必要な予防接種を受けましょう。しかしどこでもうけられるわけではないので、予防接種センター(東京では聖路加国際病院03-3541-5151、大阪では大阪市立総合医療センター06-929-1221)に問い合わせて下さい。

(7)時差対策

海外旅行では時差が生じ、体の体内時計と外界の時間とのずれのために、体に変調も来しやすくなります。睡眠障害、食欲不振、便秘、頭痛などの原因となります。出来るだけ現地の時間に体を早く慣らすことが大切です。飛行機に乗ったら時計を目的地の時間に合わせ、体を早くそのリズムに合わせるようにしましょう。

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