<日本脳炎、麻疹、風疹ワクチンの変更があり、2006年3月にこのページは改訂し、こちらのページに移行しました>

予防接種について 

接種時期 問診票記載のポイント 接種後の注意 予防接種の間隔

0歳から4歳までのワクチンの接種スケジュール

4歳までの間に受ける予防接種が特に多いので図に示しました。1回だけですむものから、三種混合のように4回接種する必要のあるものまであります。

9歳以後のワクチンの接種スケジュール

それ以後はしばらく間があきますが、以下のようになります。

風疹ワクチンについて:平成15年9月30日以降は廃止となります。それ以降に中学3年となる子は1歳のときに受けているためです・

以下に各予防接種のポイントを示します。

BCG

小児で、重症結核の予防効果があるといわれています。ツベルクリン反応陰性者にBCGを接種します。生後3ヶ月のツベルクリン反応はほぼ全員が陰性なので、BCGを受けることになります。その後、・小学一年、・小学二年、・中学一年、・中学二年にツベルクリン反応を行い、陰性者はBCGを受けることになります。

ポリオ

唯一、飲み薬のワクチンです。投与回数は2回です。集団で受けることが原則です。市からの指示に従って受けて下さい。上福岡市の場合は居住地によって日程が決まっています。

三種混合

ジフテリア、百日咳、破傷風の3種類のワクチンが入っています。最も接種回数が多いワクチンです。1期と追加に分けて接種します。1期は生後3ヶ月から1歳までの間に、3〜8週の間隔で3回接種し、約1年あけて追加接種をします。間隔があきすぎたり、忘れたりしやすいワクチンですので注意して下さい。

日本脳炎

初回2回接種と追加を行います。初回の2回は3歳前後で行い、1〜4週あけて行います。追加は約1年後に行います。

麻疹・風疹

1歳過ぎに1回接種します。風疹ワクチンは平成6年から1歳時に接種されることになりましたので、それ以前は中学生の女子のみに行われていました。そのため、移行処置として平成15年9月30日までは未接種の男女中学3年生に接種が行われます。

予防接種は回数も多く、接種間隔が決められています。忘れることのないよう、注意して下さい。かぜやその他の理由で接種時期を逃してしまった場合はご相談下さい。

問診票記載のポイント

・診察時の体温

外来で実際に測ります。37.5℃以上ではその日の予防接種はできません。特に症状もないのに37.5℃以上あった場合は測り直すのがよいでしょう。

・年齢

予防接種時の年齢です。対象年齢かどうか確認するためです。

・今日受ける予防接種についての市町村から配られている説明書を読みましたか

市から保護者に配布される“予防接種と子供の健康”という小冊子を読んで理解されたかどうかの確認です。この小冊子は分量も多いため一度読んだだけでは分かりにくい点もあるかと思います。ご不明の点があれば保健センターや指定の医療機関(当院もそうです)でご確認下さい。

・あなたのお子さんの発育歴についておたずねします

出生時体重、分娩時の異常、出生後の異常、乳児健診での異常の指摘

これらの結果で接種を見合わせたり接種量を減らしたりすることはありませんが、出生時の異常と発育発達の状況を確認するためです。

・今日体の具合の悪いところがありますか

接種当日の体調を確認するためです。感染症の初期では熱や特徴的な症状はなく、不機嫌、過敏などのみみられることがあります。診察の結果、感染症かどうか確認し、それによっては接種の延期も必要です。

・最近1ヶ月以内に病気にかかりましたか

麻疹、風疹、水痘(みずぼうそう)、おたふくかぜなどのウイルス性疾患にかかったあとは発病後1ヶ月以上の間隔をあけることになっています。それを確認するためです。

・1ヶ月以内に家族やや遊び仲間に麻しん、風しん、水痘、おたふくかぜなどの病気の人がいましたか

基本的には前の質問と同じ目的です。これらの疾患の潜伏期でないかどうか確認するためです。これらの疾患の既往がなく、予防接種歴もない場合、この質問の結果潜伏期にある可能性がある場合には、感染がないことがはっきりするまでは接種は延期することもあります。

・1ヶ月以内に予防接種を受けましたか

予防接種どうしの間隔を確認するためです。

・生まれてから今までに特別な病気(先天異常、心臓、腎臓、肝臓、脳神経、免疫不全症、その他の病気)にかかり医師に診察を受けていますか?その病気を診てもらっている医師に今日の予防接種を受けてよいといわれましたか?

いずれもまれな病気ですが、慢性疾患のある場合予防接種にあたり配慮が必要になります。それを確認するためです。疾患によっては予防接種はできないこともあります。

・ひきつけ(けいれん)を起こしたことがありますか

以前はけいれんがみられたあと1年間はすべての予防接種は行えないことになっていましたが、単純性熱性けいれんでは、通常と同様の接種が可能です。その際、接種後の発熱、けいれんに備えて解熱剤、抗けいれん剤の用意が必要です。単純性熱性けいれん以外の場合1年以内に発作がなければ、接種は可能です。1年以内に発作があった場合は、保護者の希望と、主治医の予防接種必要との判断があれば接種は可能です。

・薬や食品で発疹やじんま疹が出たり、、体の具合が悪くなったことがありますか

アレルギーの確認です。ワクチンの成分にアレルギーを起こすものがある場合は接種はできません。漠然としたアレルギー体質や原因が特定されていない場合は接種可能ですが、接種後は30分くらい院内で経過をみさせていただきます。

・お子さんの中に先天性免疫不全と診断されている方はいますか

まれな疾患ですが、これらの疾患では予防接種はできません。

・これまでに予防接種を受けて具合が悪くなったことがありますか

予防接種後の副反応の既往の確認です。同じワクチンの2回目、3回目では特に注意が必要です。副反応にもいろいろあり、必ずしも接種ができないわけではありません。副反応について(予防接種後どんな変化があったか)詳しく確認させていただきます。

・家族に予防接種を受けて具合が悪くなった人はいますか

この質問の結果で接種ができなくなることはありません。他に異常がなければ問題はありませんが、アレルギー体質がないかを確認するためです。

・6ヶ月以内に輸血あるいはガンマグロブリンの注射を受けましたか

通常のガンマグロブリンの投与、または輸血のあと3ヶ月以内、ガンマグロブリン大量投与のあと6ヶ月以内では予防接種は控えます。

・今日の予防接種について質問がありますか

ご不明の点があれば遠慮なくおたずね下さい。

・医師のサイン

予診票の確認後、接種可能かどうか判断し、医師がサインをします。

・保護者のサイン

接種可能の医師のサインのあと、保護者が“受けます”、“見合わせます”のいずれかを選択していただきます。“保護者”というのは親権者のことで父、母いずれかとなります。祖父母、隣人ではサインはできません。

接種後の注意

・副反応の出現に注意

不活化ワクチン(3種混合、日本脳炎)接種後24時間以内、生ワクチン(BCG、ポリオ、麻疹、風疹)接種後3週間以内は副反応が出現する可能性があります。1時間以内ではアナフィラキシー(不穏、発汗、浮腫、じんま疹、皮膚紅潮、嘔吐、腹痛など)、2日以内では局所の発赤、腫脹、疼痛、硬結、発熱、じんま疹など、2〜3週以内では血小板減少性紫斑病(あざ、鼻出血)、急性散在性脳脊髄炎(発熱、頭痛、けいれん、運動障害、意識障害)などがおこることがあります。いずれもまれですが心配な症状がありましたら連絡して下さい。特に、1時間以内のアナフィラキシーが疑われる場合は早急な対処が必要です。

・入浴

接種当日の入浴は問題ありません。

・運動

接種後24時間以内は過激な運動は避けて下さい。

・手術

接種後1ヶ月以内は緊急性のない手術は避けることになっています。

予防接種の間隔

予防接種は、特に幼児期は回数が多く、間隔も短くなりがちです。ワクチンの種類によって間隔が決まっています。前にうったワクチンが何で、それからどのくらいたっているかで決まります。これからうつワクチンの種類は問いません。

BCG、ポリオ、麻疹、風疹、水痘、おたふくかぜのワクチンのあとは4週間以上あけます。

三種混合、日本脳炎、インフルエンザのワクチンのあとは1週間以上あけます。

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