予防接種について

2013年10月改訂

接種時期 問診票記載のポイント 接種後の注意 予防接種の間隔

ワクチンの接種スケジュール

予防接種は種類も増えましたので、計画的に行う必要があります。以下のサイトがよくまとまっていますので、参考にして下さい。

KNOW VPD (VPDとはワクチンで防げる病気のこと)
おすすめ予防接種スケジュール

1回だけですむものから、四種混合のように4回接種する必要のあるものまであります。

同時接種でできるだけ効率よく受けるようにして下さい。たとえば、ヒブワクチン、小児肺炎球菌ワクチン、四種混合、ロタワクチンを同時に接種することはよくあります。

以下に各予防接種のポイントを示します。

BCG

小児で、重症結核の予防効果があるといわれています。平成17年4月から法改正により生後6ヶ月までに接種することになりました。以前はツベルクリン反応検査後に行っていましたが、現在はツベルクリン反応検査は行わずに接種します。(当院では行っていません)

ポリオ

以前は飲み薬のワクチンでしたが、今は不活化ワクチンで注射となりました。四種混合の中に含まれています。

四種混合

ジフテリア、百日咳、破傷風、ポリオの4種類のワクチンが入っています。接種回数が多いワクチンです。1期と追加に分けて接種します。1期は生後3ヶ月から90ヶ月(7歳半)までの間に、3〜8週の間隔で3回接種し、約1年あけて追加接種をします。1期の初回の3回は1歳までに受けるのが標準的です。2期は、ジフテリアと破傷風の二種混合として11歳以上13歳未満の間に受けます。間隔があきすぎたり、忘れたりしやすいワクチンですので注意して下さい。

ヒブワクチン

髄膜炎予防のためのワクチンです。ヒブはHemofilus influenza bの略です。インフルエンザウイルスとは違います。乳幼児の髄膜炎の原因となる菌に対するワクチンです。生後2カ月から3カ月で1回目を接種し、4〜8週間隔で3回接種し、3回目の接種から1年後に追加接種をします。最初の3回の接種は6カ月までに済ませるのがよいとされています。三種混合ワクチン、小児用肺炎球菌ワクチンとの同時接種も可能です。

小児用肺炎球菌ワクチン

髄膜炎予防のためのワクチンです。肺炎球菌という名前ですが、乳幼児の髄膜炎の原因となる菌です。生後2カ月から3カ月で1回目を接種し、4〜8週間隔で3回接種し、3回目の接種から1年後に追加接種をします。最初の3回の接種は6カ月までに済ませるのがよいとされています。三種混合ワクチン、ヒブワクチンとの同時接種も可能です。

麻疹・風疹

平成18年4月より、法改正により、麻疹、風疹ワクチンを混合したMRワクチンとして2回接種することになりました。1期は12ヶ月から24ヶ月未満の間。2期は5歳以上7歳未満のものであって小学校就学の始期に達する日の一年前の日から当該始期に達する日の前日までにあるもの(要するに、幼稚園年長の間に受けるということになります)。という2回となっています。

日本脳炎

従来型のマウス脳を用いて製造されたワクチンでは副反応として、神経疾患が起こる頻度が高いという報告があり、厚生労働省としては平成17年より、積極的勧奨は行わないという立場をとるようになり、、希望者に限って行っていました。その後、細胞培養を用いた新しいワクチンが開発され、それによる予防接種が行われています。初回2回接種と追加を行います。初回の2回は3歳前後で行い、1〜4週あけて行います。追加は約1年後に行います。


以下のワクチンは任意接種のワクチンです

ロタウイルスワクチン

小児の嘔吐下痢の原因となるロタウイルスに対するワクチンです。重症化の予防効果は90%といわれています。経口(飲み薬)のワクチンです。生後6週から4週間隔で2回〜3回接種します。他のワクチンと同時接種も可能です。

おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)

1歳で受けるのがよいとされています。1歳を過ぎ、MRワクチンを受けた後に受けましょう。

水ぼうそう(水痘)

1歳で受けるのがよいとされています。1歳を過ぎ、MRワクチンを受けた後に受けましょう。

予防接種は回数も多く、接種間隔が決められています。忘れることのないよう、注意して下さい。かぜやその他の理由で接種時期を逃してしまった場合はご相談下さい。公費で受ける場合、保健センターに確認が必要となる場合もあります。

問診票記載のポイント

○ 診察時の体温

外来で実際に測ります。37.5℃以上ではその日の予防接種はできません。特に症状もないのに37.5℃以上あった場合は測り直すのがよいでしょう。

A 年齢

予防接種時の年齢です。対象年齢かどうか確認するためです。

B 今日受ける予防接種についての市町村から配られている説明書を読みましたか

市から保護者に配布される“予防接種と子供の健康”という小冊子を読んで理解されたかどうかの確認です。この小冊子は分量も多いため一度読んだだけでは分かりにくい点もあるかと思います。ご不明の点があれば保健センターや指定の医療機関(当院もそうです)でご確認下さい。

C あなたのお子さんの発育歴についておたずねします

出生時体重、分娩時の異常、出生後の異常、乳児健診での異常の指摘

これらの結果で接種を見合わせたり接種量を減らしたりすることはありませんが、出生時の異常と発育発達の状況を確認するためです。

D 今日体の具合の悪いところがありますか

接種当日の体調を確認するためです。感染症の初期では熱や特徴的な症状はなく、不機嫌、過敏などのみみられることがあります。診察の結果、感染症かどうか確認し、それによっては接種の延期も必要です。

E 最近1ヶ月以内に病気にかかりましたか

麻疹、風疹、水痘(みずぼうそう)、おたふくかぜなどのウイルス性疾患にかかったあとは発病後1ヶ月以上の間隔をあけることになっています。それを確認するためです。

F 1ヶ月以内に家族やや遊び仲間に麻しん、風しん、水痘、おたふくかぜなどの病気の人がいましたか

基本的には前の質問と同じ目的です。これらの疾患の潜伏期でないかどうか確認するためです。これらの疾患の既往がなく、予防接種歴もない場合、この質問の結果潜伏期にある可能性がある場合には、感染がないことがはっきりするまでは接種は延期することもあります。

G 1ヶ月以内に予防接種を受けましたか

予防接種どうしの間隔を確認するためです。

H 生まれてから今までに特別な病気(先天異常、心臓、腎臓、肝臓、脳神経、免疫不全症、その他の病気)にかかり医師に診察を受けていますか?その病気を診てもらっている医師に今日の予防接種を受けてよいといわれましたか?

いずれもまれな病気ですが、慢性疾患のある場合予防接種にあたり配慮が必要になります。それを確認するためです。疾患によっては予防接種はできないこともあります。

I ひきつけ(けいれん)を起こしたことがありますか

以前はけいれんがみられたあと1年間はすべての予防接種は行えないことになっていましたが、単純性熱性けいれんでは、通常と同様の接種が可能です。その際、接種後の発熱、けいれんに備えて解熱剤、抗けいれん剤の用意が必要です。単純性熱性けいれん以外の場合1年以内に発作がなければ、接種は可能です。1年以内に発作があった場合は、保護者の希望と、主治医の予防接種必要との判断があれば接種は可能です。

J 薬や食品で発疹やじんま疹が出たり、、体の具合が悪くなったことがありますか

アレルギーの確認です。ワクチンの成分にアレルギーを起こすものがある場合は接種はできません。漠然としたアレルギー体質や原因が特定されていない場合は接種可能ですが、接種後は30分くらい院内で経過をみさせていただきます。

K お子さんの中に先天性免疫不全と診断されている方はいますか

まれな疾患ですが、これらの疾患では予防接種はできません。

L これまでに予防接種を受けて具合が悪くなったことがありますか

予防接種後の副反応の既往の確認です。同じワクチンの2回目、3回目では特に注意が必要です。副反応にもいろいろあり、必ずしも接種ができないわけではありません。副反応について(予防接種後どんな変化があったか)詳しく確認させていただきます。

M 家族に予防接種を受けて具合が悪くなった人はいますか

この質問の結果で接種ができなくなることはありません。他に異常がなければ問題はありませんが、アレルギー体質がないかを確認するためです。

N6ヶ月以内に輸血あるいはガンマグロブリンの注射を受けましたか

通常のガンマグロブリンの投与、または輸血のあと3ヶ月以内、ガンマグロブリン大量投与のあと6ヶ月以内では予防接種は控えます。

O 今日の予防接種について質問がありますか

ご不明の点があれば遠慮なくおたずね下さい。

P 医師のサイン

予診票の確認後、接種可能かどうか判断し、医師がサインをします。

Q 保護者のサイン

接種可能の医師のサインのあと、保護者が“受けます”、“見合わせます”のいずれかを選択していただきます。“保護者”というのは親権者のことで父、母いずれかとなります。祖父母、隣人ではサインはできません。一緒について来た方のサインです。

接種後の注意

○ 副反応の出現に注意

不活化ワクチン(3種混合、日本脳炎)接種後24時間以内、生ワクチン(BCG、ポリオ、麻疹、風疹)接種後3週間以内は副反応が出現する可能性があります。1時間以内ではアナフィラキシー(不穏、発汗、浮腫、じんま疹、皮膚紅潮、嘔吐、腹痛など)、2日以内では局所の発赤、腫脹、疼痛、硬結、発熱、じんま疹など、2〜3週以内では血小板減少性紫斑病(あざ、鼻出血)、急性散在性脳脊髄炎(発熱、頭痛、けいれん、運動障害、意識障害)などがおこることがあります。いずれもまれですが心配な症状がありましたら連絡して下さい。特に、1時間以内のアナフィラキシーが疑われる場合は早急な対処が必要です。

A 入浴

接種当日の入浴は問題ありません。

B 運動

接種後24時間以内は過激な運動は避けて下さい。

C 手術

接種後1ヶ月以内は緊急性のない手術は避けることになっています。

予防接種の間隔

予防接種は、特に幼児期は回数が多く、間隔も短くなりがちです。ワクチンの種類によって間隔が決まっています。前にうったワクチンが何で、それからどのくらいたっているかで決まります。これからうつワクチンの種類は問いません。

BCG、ロタ、麻疹、風疹、水痘、おたふくかぜのワクチンのあとは4週間以上あけます。

四種混合、日本脳炎、インフルエンザ、ヒブ、小児用肺炎球菌のワクチンのあとは1週間以上あけます

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