第3回健康講座
バランスのよい食事とは
からだによい食事は、適正なカロリーと適正な栄養バランスの保たれた食事です。今回はバランスのよい食事について解説します。
まず、適正な食事の量については、適正なカロリーについてのページを参考にして計算して下さい。
さて、食事の栄養素である三大栄養素は糖質、タンパク質、脂質ですが、これらが適正なバランスとなるようにすることが大切です。そのバランスは以下のようになっています。
糖質 | 55-60% |
---|---|
タンパク質 | 15-20% |
脂質 | 25%以下 |
実際の毎日の食事の中でこのような栄養配分となるようにするには食品交換表(糖尿病の食品交換表 日本糖尿病学会編 文光堂書店)を利用することが必要です。この交換表では、いろいろな食材を表1〜6に分類し、それらをどのようなバランスで食べれば上に示したような理想的なバランスで各栄養素をとることができるかが解説されています。
食品交換表の表1〜6とは
表1 | 主に糖質を含む食品 ・ 主食(ご飯、パン)、いも類、糖質の多い野菜(カボチャ、トウモロコシなど) |
---|---|
表2 | 果物 ・ 果物は一日1単位をとるようにしましょう。間食でもよい。 |
表3 | たんぱく質食品 ・ 肉、魚、大豆、卵、チーズなど ・ 脂肪も多く含むものもあるので気をつけましょう |
表4 | 牛乳、乳製品(チーズは除く) ・ カルシウム源として重要です ・ 牛乳は一日200ml(1.4単位)飲むようにしましょう |
表5 | 脂肪食品 ・ 少量でもカロリーが高い食品 ・ マヨネーズ、ドレッシングも脂は多いので気をつけましょう |
表6 | 野菜、海草、きのこ、こんにゃく ・ 主にビタミン、ミネラルや食物線維を多く含む ・ 野菜はいろいろとりあわせて300グラムはとりましょう。 ・ 3分の1は緑黄色野菜でとりましょう ・ 海草、キノコ、こんにゃく類はカロリーはありませんので食べる量は気にせずとりましょう |
調味料 | ・ 味噌、砂糖などエネルギーを無視できない調味料 |
1単位とは
体の中で80kcalとなる食品の量を1単位といいます
食品交換表にはいろいろな食材の1単位の量が示されています。
一日の摂取カロリーが1400kcalの場合→ 一日18単位が適正です
18単位をどのようにとるのがバランスがよいのかというと、以下のようになります。
表1 | 9単位 |
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表2 | 1単位 |
表3 | 4単位 |
表4 | 1.4単位 |
表5 | 1単位 |
表6 | 1単位 |
調味料 | 0.6単位 |
(糖尿病の食品交換表 日本糖尿病学会編 文光堂書店より)
今回の勉強会(平成13年6月25日)では以下の食材を用意しました。
ゆでたまご 1個 1単位、チーズ 1個 1単位、納豆 1パック(50g) 1.2単位、牛肉ロース 100g 2単位、しゃけ 80g 2単位、えび 80g 1単位、とうふ150g1単位、ささみ 40g0.5単位、あぶらあげ 1枚 60g3単位、ハム 2枚 1単位、
牛乳200ml 1.4単位、
うどん 1パック240g3単位
野菜、椎茸、海草、ご飯、いも、
これらの食材で献立を考えていただきました。
おひとりの患者さんが“いり豆腐”を考えてくれました。とり挽肉40g、卵1個、豆腐150g、ゴボウ、人参などの野菜で作るということでした。これは3人分の量です。とり挽肉は、今回用意した食材にはありませんが、交換表にちゃんと載っています。これによると40gが1単位です。卵は1個が1単位、豆腐も150gが1単位です。表3の食材が合計3単位となりました。野菜は表6に含まれる食材で、単位を考えなくてよいものです。調味料としてしょうゆ、砂糖を使います。砂糖は小さじ1杯、交換表によると0.15単位です。これは3人前の量なので、一人分には、表3が1単位、表6の食材が含まれ、調味料も0.05単位含まれます。これでおかず1品が決まりました。これに表1の食材であるご飯が加わればバランスのよい食事となるわけです。
ご飯の適量はについては適正なご飯の量についてのページを参考にして下さい。
表にするとこうなります。
表1 | 表2 | 表3 | 表4 | 表5 | 表6 | 調味料 |
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2単位 | 1単位 | あり | 0.05単位 |
こうやってバランスのよい食事の献立を考えるのです。
野菜、海草、しいたけ類はカロリーを気にしないでたくさんとりましょう。
ただし、ドレッシングやマヨネーズの使いすぎにならないようにしましょう。マヨネーズは大さじ1杯で1単位、ドレッシングは大さじ2杯で1単位、でいずれも一日に使える脂の量に達してしまいます。
(糖尿病の食品交換表 日本糖尿病学会編 文光堂書店より)
このようにして毎食の献立を考えるときに、食品交換表を参考に、バランスよく、適正カロリーの中で食事を考えるようにしましょう。
要 点
@毎回の食事で表1、表3、表6の食品を必ずとるようにする
主食(ご飯、またはパン)+肉類など蛋白源となるもの+野菜または、海草、しいたけ類を必ず食べる。ただし単位を守る。
特に表3の食材でカロリーオーバーになりやすいので注意
A表2、表4を必ずとる
牛乳1本、果物1単位を必ずとる
B食品交換表を手元に置いて、食材の重さを量って単位を確認する習慣をつけましょう。慣れてきたらいつも量る必要ありませんが、時々は確認のために量ってみましょう。