今シーズン(2003-2004年)のインフルエンザ流行予想

毎年1月から3月はインフルエンザの流行時期です。うがい、手洗いなどの予防をしっかりしましょう。

さて、今シーズンのインフルエンザですが、すでに台湾、香港、アメリカで新種のウイルスが発見されていますので、現在のところわかる範囲の情報を紹介します。

香港、台湾で、すでに福建型といわれるタイプのA型インフルエンザが流行していると報道されています(共同通信12月1日、3日)。このウイルスは今年2月に中国福建省で感染が確認され、現在、欧米で感染が拡大しており、従来のA型インフルエンザ(H3N2)に遺伝子構造が似た新種のウイルスと報告されています。アメリカでも例年より早く流行が始まっており、大流行が懸念されています。この、福建型というのは従来のA型インフルエンザウイルスの変異型とされており、今までのウイルスとは型が異なるという特徴があります。

型が異なるとなると、ワクチンが効かないのではないかという点が心配です。今年のワクチンは、Aニューカレドニア型(H1N1)、Aパナマ型(H3N2)、B山東型の三種類のウイルスの混合ワクチンです。今年の流行株を予想して製造されているのですが、今回の新種ウイルスとは、三種類いずれも型が一致しないというのです。流行株とワクチンの型が一致しなければワクチンは無効となる可能性があります。しかし、Aパナマ型が今回見つかった新種のウイルスと型が似ているので、それによって予防は可能だろうという見方もあります(CDCのホームページより)。ウイルスの型が異なってもワクチンの予防効果があるというのは、動物実験で証明されているそうで、上述の楽観的な見方の根拠となっています。実際、過去に、流行したウイルスとワクチンの型が合致しなかった年でも60~80%の有効性が認められているそうです。それがこのウイルスにもあてはまれば、今年もワクチンをうっておけば安心といえるでしょう。しかし、今回の新種のウイルスに今年のワクチンが効くかどうか、本当のところはまだわかりません。予防接種を受けられなかった場合は特に、また、受けられた場合も、手洗い、うがいなどの予防はしっかりしておきましょう。

そして、もしインフルエンザと思われる症状がでたら、早めに病院を受診して下さい。ワクチンは12月中旬までに接種するのがよいとされています。

2003年12月5日

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